仏・モンマルトルの人気画家ロートレック-Bunkamuraで大規模展

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック作「歓楽の女王」(1892年、リトグラフ、京都工芸繊維大学美術工芸資料館)

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック作「歓楽の女王」(1892年、リトグラフ、京都工芸繊維大学美術工芸資料館)

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 パリの歓楽街モンマルトルを舞台にしたポスターなどで知られる人気画家ロートレックの世界を、他の画家や友人との関係を通して多角的に紹介する大規模展「ロートレック・コネクション」が11月10日、渋谷「Bunkamuraザ・ミュージアム」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-3477-9413)で始まった。

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 1864年、先天的に虚弱な体質で生まれた南仏の貴族の息子アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック。幼少期から素描の才能を発揮し、20歳のころにパリで画学生になると、家賃が安かったことなどから芸術家たちが多く集まったモンマルトルに拠点を置いた。当時のモンマルトルは、「ムーラン・ルージュ」などのダンスホール、カフェ、キャバレーなどの娯楽施設が立ち並ぶ歓楽街としても知られ、ロートレックは劇場、娼館などに通いながら、娼婦やダンサーらの華やかな姿や悲哀などを描いて数多くの傑作を残した。1901年に36歳で死去。

 ロートレック美術館のダニエル・ドゥヴァンク館長が監修する同展は、独自性の高さで知られるロートレックの作品群を、師と仰いだ画家や、同時代の画家、賞賛した巨匠画家らの作品の隣に置く点が特徴。会場は「画学生時代」「モンマルトル」「前衛集団の中で」の3部に分かれており、ロートレック作品に加えて、各部門で画学生仲間だったベルナールやゴッホらの作品、ロートレックに先駆けてモンマルトルが舞台のポスターや挿絵の分野で活躍したスタンランやシェレの作品、ロートレックの影響も読み取ることができるヴュイヤールの作品などが並ぶ。

 そのほか、「ムーラン・ルージュのラ・グリュ」(1891年、リトグラフ、川崎市市民ミュージアム蔵)や「歓楽の女王」(1892年、リトグラフ、京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵)などのロートレックの代表作も紹介しながら、ロートレックの画法やモチーフの特徴を時代の中でとらえ直すことを目指す。

 関連イベントとして、12月22日には展示室内で、室内楽ユニット「mama!milk」と音楽家阿部海太郎さんによるライブ「ロートレックの夕べ」を開催(20時開演、入館料込みで3,000円)するほか、ロートレックの誕生日に当たる11月24日にはバースデー割引を実施。Bunkamuraの書店「ナディッフモダン」では期間中、ロートレックを中心に他の出品作家の関連書籍を販売する。

 開館時間は10時~19時(金曜・土曜は21時まで)。入館料は、一般=1,400円、大学・高校生=1,000円、中・小学生=700円。12月23日まで。

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