中学生だった15歳でデビューし、現在18歳の現役高校生アーティスト小出茜さんの初となる本格的な個展「女子脳小部屋」が10月17日、渋谷「パルコファクトリー」(渋谷区宇田川町 渋谷パルコパート1・6階、TEL 03-3477-5873)で始まる。
1991年東京生まれの小出さんは、2006年に現代アーティスト村上隆さんが主催するアートイベント「GEISAI」に参加したことをきっかけに、村上さんが代表を務め、若手アーティストの育成や展覧会のプロデュースなどを手掛ける「カイカイキキ」(港区)に中学生時代から所属。靴箱に隠れたり動物や花と戯れたりしながら、もの言いたげな瞳をもつ女の子の姿を描き、既にスポンサーも持つ気鋭の若手アーティスト。
同展は、「学校の放課後、自分を掘り下げ、時に苦しみながら描き続けてきた」という小出さんの15歳~18歳の作品群を一堂に紹介するもの。通学電車や靴箱など、高校生活に身近な景色を背景に、中学、高校生の若者たちのリアルな痛みや気持ちを代弁するような題材の作品が多く、小出さん自身の身近な問題が反映される。
一見漫画風の絵をキャンバスにアクリルで描く作品群は、既存の美術教育やアートシーンの文脈から切り離されている点も特徴。カイカイキキでは「彼女の登場によってアートシーンが変化するだろう。高校生がストリートで歌ってプロミュージシャンへのチャンスを得るように、アーティストも気軽にネットなどで作品を発表してギャラリーなどにスカウトされ、プロとしてデビューする時代がやって来た。小出茜はその象徴的存在」と期待を寄せる。
会場では関連イベントとして、10月17日に小出さんによるライブペインティング(15時~)を開催するほか、同25日には村上さんをゲストに迎え20歳以下を対象にした作品講評(15時~)も行う。現在パルコでは参加者を一般募集している。
開催時間は10時~19時(最終日は18時まで)。入場料は、一般=300円、学生=200円、高校生以下無料。11月3日まで。