神宮前のビル屋上に「表参道彩園」-近隣で働く友人同士が交代で世話

屋上菜園「表参道彩園」に育つトマト。同園からは青山・原宿の昼景・夜景も楽しめる

屋上菜園「表参道彩園」に育つトマト。同園からは青山・原宿の昼景・夜景も楽しめる

  • 0

  •  

 国連ビル裏手のセレクトショップなどが集まる神宮前エリアに9月1日、会員制屋上菜園「表参道彩園」(渋谷区神宮前5)がオープンした。銀座農園(中央区)が運営を手がける。

屋上菜園「表参道彩園」で野菜づくりが始まった。後方は「Ao」

[広告]

 場所は青山通りに程近い国連ビル裏手で、広いオープンテラスが特徴のカフェダイニング「LAS CHICAS(ラスチカス)青山」の向かい、今年4月に竣工した「フィル・パーク表参道」の屋上。コメづくりを通して生産者と消費者の交流を目指す「銀座でコメ作り」を主な事業とする銀座農園が、屋上緑化と収益性の両立を目指して都内で進める農業プロジェクト第1弾となる。

 第1期利用者の募集は8月20日で終了している。社長の飯村一樹さんは「応募に対して1.2~1.3倍程度の応募があった」と明かし、近くの会社で働く友人同士の応募が多いことに驚いたという。「郊外の貸し農園では家族の利用がほとんど。週末に郊外へ農作業に行くのとは異なる層の人たちから応募があった。会社の近くでの農作業には遊びや息抜きと言う要素が大きいと感じる」。

 「粒子が粗く保水性が高く、軽量な土に肥よくな黒土をブレンドした」という土壌には現在、利用者が植えた白菜の苗が見られるほか、デモンストレーションとして銀座農園が育てたトマトとナスが実をつけている。そのほか、大葉やハーブなどを育てるのにも適し、利用者からは「(1区画に)ニンジン、タマネギ、ジャガイモなどを少しずつ植え、カレーの具を育てたい」という声も寄せられているという。

 1級建築士の資格を持つ飯村さんは、郊外の畑で野菜を育てながら、これまで不良債権物件の再建などを手掛けてきた。「過重や排水などの課題がつきものである屋上菜園に、建築士としての知識が生かされた。今後も都内で畑を作って人に貸す仕組みを作りながら、収益性のある屋上緑化を進めたい」と意欲をみせる。

 表参道彩園は、約100平方メートルの屋上全面に木製デッキを配し、天然杉の丸太を組み上げて4ブースの農地を開設。各ブースに4区画、計16区画の個人菜園スペースを設け、30平方メートルの共有休憩スペースを用意する。1区画は3平方メートル。水道、ベンチに簡易な菜園道具を置き、年中24時間利用できる。

9月4日現在、キャンセルがあった1区画のみ募集している。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース