渋谷・文化村通りで7月5日午後、中村勘三郎さんや中村扇雀さんらが顔見せを行う初の「お練り」が行われ、その姿を一目見ようとする歌舞伎ファンや通行人らでごった返した。
勘三郎さんを一目見ようするファンや通行人でごった返す渋谷・文化村通り
お練りは「Bunmkamura開業20周年」と「コクーン歌舞伎15周年」を記念して行われたもの。同9日からBunkamuraシアターコクーン(渋谷区道玄坂2)で上演が始まる渋谷・コクーン歌舞伎第十弾「桜姫」の出演者らが人力車に乗り込み、SHIBUYA109から東急本店前までの約300メートルを移動した。
この日、顔見せで登場したのは中村勘三郎さん、中村扇雀さん、中村橋之助さん、坂東彌十郎さん、中村七之助さん、片岡亀蔵さん、笹野高史さんと演出家の串田和美さん。
一行は、地元のみこしに先導され、木やりとまとい、赤坂の芸者衆が続いた。その後に人力車が登場し、紙吹雪が舞い、「中村屋~っ」「成駒屋~っ」などの声がかかる中を、8人は笑顔で応えながらゆっくりと移動した。NHK大河ドラマ「天地人」にも出演している笹野さんには、沿道から「秀吉~っ」の声がかかり、笑いを誘う一幕も。
30分ほどをかけて東急本店前に到着すると、出演者全員がステージで上演に向けての意気込みを披露した。中でも、根っからの「渋谷区民」という扇雀さんは「渋谷で歌舞伎をやっているのが本当に不思議な気持ち。コクーン歌舞伎が歌舞伎の中に新しい風を吹かせ、その一員として歌舞伎ができることをうれしく思っている」とあいさつ。七之助さんは「渋谷には仕事より遊びで来ることが多いが、渋谷は人であふれている。今日はいつもと景色が違うし、心持ちが違う。たくさんの方に声をかけていただいてうれしかったが、いつもよりちょっと恥ずかしかった」とも。その後、全員で鏡割りを行い公演の成功を祈願した。
渋谷ハチ公広場では同日まで、地元商店街とBunkamuraが主催するライブイベント「第1回渋谷時代祭」が開催されており、お練りは結びイベントも兼ねて行われた。