渋谷・シネマライズで「蟹工船」上映へ-「汗臭い」作風の1953年版も併映

シネマライズで公開の映画「蟹工船」(SABU監督、2009年)©2009「蟹工船」製作委員会

シネマライズで公開の映画「蟹工船」(SABU監督、2009年)©2009「蟹工船」製作委員会

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 劣悪な環境で働く労働者たちの闘争を描いた小林多喜二原作の映画「蟹工船」(SABU監督)が7月4日より、渋谷「シネマライズ」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-0051)でロードショー公開される。

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 1929年に初版が出版された「蟹工船」は、ロシア・カムチャッカ沖で蟹を捕り、船上で缶詰に加工する蟹工船「博光丸」を舞台に、安い賃金で働かされる出稼ぎ労働者たちの一斉蜂起を描いたプロレタリア文学の代表作。世界的不況となった昨年、「蟹工船」ブームが再燃。年末の流行語大賞ではトップ10入りを果たすなど、注目を集めた。

 メガホンを取ったのは「ポストマン・ブルース」(1997年)や「ホールドアップダウン」(2005年)など、絶望したキャラクターが再生していく様子をコミカルなタッチで描くことで知られる監督、SABU(サブ)さん。

 労働者を「集団」として描いた原作に対し、同作ではカリスマ性のあるオリジナルキャラクターを俳優・松田龍平さんが主演。ほかにも、高良健吾さん、新井浩文さん、江本時生さんなど個性的な俳優を配し、労働者たち一人ひとりの持つ「力」の面白さに迫った。「時代設定をあえて排除した」という「パイプだらけ」の舞台セットでは、工場の質感や奥行きを独自表現。エナメル調の衣装なども採用し、SABU版「蟹工船」を完成させた。

 同館では公開翌日(5日)より、「汗臭い」作風が魅力の同名作品「蟹工船」(1953年、山村聡監督)をモーニングショーでリバイバル上映(入場料=1,000円、7月24日まで)。リバイバル版鑑賞券を窓口に提示すると、新作の鑑賞券を割引するサービスも行う。

 シネマライズほか、全国で順次公開予定。

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