同性愛者であることを公表し米国初の公職当選を果たした実在の政治家、ハーヴィー・ミルクの足跡を描いた映画「ミルク」(ガス・ヴァン・サント監督)が4月18日より、渋谷「シネマライズ」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-0051)でロードショー公開される。
同作は、第81回米アカデミー賞で8部門にノミネートされた話題作。70年代に同性愛者やヒッピーが集まるサンフランシスコの「カストロ地区」に移住し、カメラ店を運営しながら地元商店街、近隣住民の抱える問題にかかわり、3度の落選後、1977年に市政執行委員に当選した活動家、ミルクをショーン・ペンさんが演じる。
ペンさんは、同作で2度目の主演男優賞に輝いたほか、脚本を手掛けたダスティン・ランス・ブラックさんは脚本賞を受賞。コロンバイン高校銃乱射事件をテーマにした「エレファント」(2003年)でカンヌ国際映画祭パルムドールと最優秀監督賞を受賞したガス・ヴァン・サント監督がメガホンを取り、国際映画祭などでも30以上の賞を受賞するなど高い評価を得ている。
劇中では、同性愛者への偏見、暴力が横行した当時のサンフランシスコで「すべての人のための権利と機会の平等」を訴え「マイノリティー」の権利獲得のため精力的に活動したミルクの活躍から、1978年同僚の市政執行委員に射殺されるまでの生涯に迫った。
シネマライズでは公開初日の同18日、サント監督の「エレファント」「パラノイドパーク」とともに同作を上映するオールナイト上映イベント「ガス・ヴァン・サント ナイト」を開催(入場料=2,800円)。ミニシアター「UPLINK X(アップリンク エックス)」(宇田川町、TEL 03-6821-6821)では同日より、同作の原作となったドキュメンタリー「ハーヴェイ・ミルク」(ロバート・エプスタイン監督、リチャード・シュミーセン監督、1984年)を上映する。
シネマライズほか全国で順次公開予定。