鬼才デイヴィッド・リンチ監督の未公開作品を集めた特集上映「デイヴィッド・リンチ・ワールド」が2月28日、渋谷「ライズX(エックス)」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-8555)で始まる。
「ブルーベルベッド」(1986年)、「マルホランド・ドライブ」(2001年)などの作品で知られ、2007年パリで行われた回顧展も話題を呼んだリンチ監督の「本質」に迫る特集上映。長編デビュー作でカルト映画としての評価も高い「イレイザーヘッド」(1977年)のデジタルリマスター版を国内初上映するほか、初期の短編作品なども併せて公開する。
米フィラデルフィアの工業地帯を舞台に、主人公の青年の回りで起きる難解な現象を、モノクロ映像で不気味に描き出す「イレイザーヘッド」は、初期の代表作。デジタルリマスター版では、13万枚もの画像修正をを加え、質の高い映像とサウンドを実現。特有のカルト色に磨きをかけた。
いずれも未公開となる短編作は、リンチ監督が美術学校「ペンシルベニア美術アカデミー」在学中に制作した短編をはじめ、会員制サイト「DAVIDLYNCH.COM」で発表した作品など。同校の自由課題コンテストで発表した「SIX MEN GETTNG SICK」(1967年)や映画制作の奨学金を得るきっかけになった「THE GRANDMOTHER」(1970年)などの初期作品には、リンチ監督らしい試験的な試みも多い。
「Dumbland(ダムランド)」は、監督がサイトのために自らイラストを描き下ろした8本のアニメーション。サイトのみで発表した短編では、ほか7作も併せて上映する。
上映は3月20日まで。ライズエックスほか全国で順次ロードショー予定。