ビートからウォーホルまで-写美で「アメリカ」シリーズ最終展

第3部「アメリカン・メガミックス 1957-1987」の会場。アメリカの写真雑誌なども展示する

第3部「アメリカン・メガミックス 1957-1987」の会場。アメリカの写真雑誌なども展示する

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 「アメリカ」に関連した写真を一堂に紹介する大規模写真展「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」の第3部「アメリカン・メガミックス 1957-1987」が、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で開催されている。

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 同展は、同館が所有する約23,000点のコレクションから、テーマの「米国」に沿った写真を選び、年代別に3部構成で展示するシリーズ企画。第1部「星条旗 1839-1917」(7月5日~8月24日)では、フランスから米国にダゲレオタイプ(銀板写真)が渡った1839年から、写真雑誌「カメラ・ワーク」が休刊した1917年までをフォーカス。第2部「我が祖国 1918-1961」(8月30日~10月19日)では、第一次世界大戦が終結した1918年から、ケネディ大統領就任の1961年までの作品に焦点を当てた。

 シリーズ最終章となる同展(10月25日~)では、ビート世代を代表する小説家・詩人、ジャック・ケルアックが小説「オン・ザ・ロード」を発表した1957年から、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルが他界した1987年までの作品を展示。この時代を「アメリカが最も輝いていた時代」ととらえ、「路上」「砂漠」「戦場」「家」「メディア」の5つの象徴的な「場所」をキーワードに、約190点を展示する。

 「路上」では、2年かけて全米を撮影したロバート・フランクさんの作品をはじめ、全米40州の記念碑や銅像を収めたリー・フリードランダーさんの写真などを展示。「砂漠」では、核実験が行われた西部の砂漠などを写したリチャード・ミズラックさんの写真や、ネバダ州の砂漠を舞台にモデル写真を撮影した篠山紀信さんの作品などを並べる。

 「戦場」では、フリーカメラマンとして南ベトナムに従軍し、最前線の兵士たちを記録した石川文洋さんの写真や、キューバの写真家アルベルト・コルダによって撮影されたチェ・ゲバラの有名なポートレートなどを紹介。ニューヨーク、イースト・ハーレムに住む貧困層の家庭を撮影した作品や、エイズ、ドラッグ、サブカルチャーなどに象徴される80年代を、恋人たちのポートレートなどで表現した作品、月面に米国旗を立てる宇宙飛行士の写真など、さまざまな視点でとらえた「アメリカ」の写真が一堂にそろう。

 会期中の第2・第4金曜は、同館の学芸員が展示説明(16時~)を行うほか、11月3日には写真学校の講師らをゲストに招き、「60年代から70年代へ:ソーシャル・ランドスケープとニュー・ドキュメンツ」をテーマにしたレクチャーを行う。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。月曜休館。入場料は、一般=500円、学生=400円ほか。12月7日まで。

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