トランスコスモス(渋谷区渋谷3)は10月21日、NHK(神南2)が実施した放送受信料の契約・収納業務の公開競争入札で、神奈川県厚木市の一部の地区の業務を落札したと発表した。
NHKは、今月1日から訪問集金を廃止。これに伴い一部地域で受信料の契約・収納業務を民間業者に委託する方針を決定、今年8月中旬から入札を受け付けていた。対象地域は東京都荒川区と神奈川県厚木市の一部、大阪府大阪市天王寺区・生野区の3エリアで、トランスコスモスは厚木市内の一部の業務を、1億8,018万円で落札。今月中にも同市内に専用の事業所を開設し、業務を開始する予定。
これまで主力事業の一つとしてきたコールセンター事業を基盤に、訪問販売などのセールスサポート事業のノウハウを生かし、接触率向上に向け電話と訪問を組み合わせた対策を提案。各担当には、管理責任者1人、実施責任者2人、契約・収納要員8人、電話督励要員(事務要員兼務)2人の専門スタッフをそれぞれ配置し、電子地図を活用した全戸点検を実施する。不在者宅には文書を投函し、視聴者とのコンタクト率向上を図る。
NHKでは、収納業務それぞれに実施責任者を配置している点などを評価。地域特性、視聴者属性分析などに基づいたアプローチ方法を提案した点も評価したとしている。同社広報担当者は「既存のコールセンター事業に加え、ここ1~2年で強化しているセールスサポート事業のノウハウを組み合わせることで十分業務に対応できると判断した」(同社広報宣伝部)とし、今後のアウトソーシング事業のノウハウ蓄積にもつなげていく考え。
荒川区では営業支援・人材派遣・収納業務のアイヴィジット(代々木2)が、大阪市天王寺区・生野区では、NHK指定専属代理店で各種手続きを代行するシーズコーポレーション(大阪市)がそれぞれ業務を受託する。落札価格はシーズコーポレーションが2億6,880万円と最高で、アイヴィジットが1億1,726万円。
受託期間は各社ともに2011年3月まで。