「エッグチェア」の誕生50周年を記念した企画展「The Egg 1958-2008 A Tribute by Tal R」が10月14日、表参道の商業施設「GYRE」(渋谷区神宮前5)2階のイベントスペース「EYE OF GYRE」で始まった。
エッグチェアは、デンマークのデザイナー、アルネ・ヤコブセンが1958年にデザインした名作の一つに数えられるいすで、文字通り丸みある「卵」のようなフォームが特徴。「メン・イン・ブラック」など海外の映画でも使用されており、高価なもので1脚100万円近くする。
同展では、デンマーク在住の気鋭アーティスト、タル・アールさんがパッチワークでデザインした50脚のエッグチェアを展示。生地は、すべて使い古されたもので、アールさんがニューヨークやベルリン、イスタンブールなど世界中の都市で買い集めたもの。
アールさんは「卵が再生と新しい生命を創造する力のシンボル」と残した精神分析学者・フロイトの文章にインスピレーションを得たことから、フロイトの文章から引用した単語を作品名に一部起用。各単語をもとにチェアカバーをデザインした。
「セラピー」と名付けられたチェアは、ポケモンのキャラクターがプリントされた生地を縫い合わせた「癒し」を連想させる作品。幼児が好みそうな絵柄を多用した作品「ヒステリア」やハートのマークがあしらわれた生地を使った「セクシャリティー」など、作品名と照らし合わせながら、それぞれの意図をひもとく楽しさが各作品に込められている。
作品は、今年4月の国際家具見本市「ミラノサローネ」に出品後、韓国やオーストラリアなど4カ国を巡回し、日本での展示となった。
営業時間は11時~20時。入場無料。今月26日まで。