大正期の重要な和式住宅として国の重要文化財に指定されている「旧朝倉家住宅」(渋谷区猿楽町、TEL 03-3476-1021)が6月8日から、一般公開されている。
初公開された旧朝倉家住宅は、東京府会議員だった朝倉虎治郎さんの自宅として1919年に建設された。2004年に重要文化財に指定され、2006年から渋谷区が管理している。瓦ぶき屋根の木造2階建てで、1階は家族や使用人が日常生活を送る場として、2階は虎治郎さんが公職に当たった際の会合などに、それぞれ使用された。
杉の木目を多用した1階西側の「杉の間」からは敷地内の庭園が一望でき、虎治郎さんが最も好んだ広間だったという。このほか1階には、「第1会議室」と呼ばれる32畳の洋間、執事の「事務スペース」、「女中部屋」などがあり、当時は富士山が望めたという2階にも30畳ほどの広間がある。
住宅周辺には、多くの石灯籠(どうろう)が置かれており、回遊しながら庭園を観賞できる「回遊式庭園」が広がる。春はツツジ、秋は紅葉などが楽しめるという。土蔵や庭門、当時の車庫なども臨める敷地内の面積は約5,400平方メートルに及ぶ。建築面積は約570平方メートル。
公開時間は10時~18時(11月1日~2月末日は16時30分まで)。月曜休館。観覧料は、一般=100円、小中学生=50円。
「杉の間」からの風景(関連画像)木造大日如来坐像が一般公開-約13億円で落札された仏像(上野経済新聞)旧朝倉家住宅(渋谷区サイト)