仏高級ブランドのシャネルが2年の歳月をかけて世界を「移動」する大規模アートプロジェクト「MOBILE ART(モバイルアート)」が5月31日、原宿駅近く、国立代々木競技場オリンピックプラザ特設会場で始動する。
会場に出現したのは、流れるような近未来的なデザインが特徴の巨大「移動式」パビリオン。内部には中庭もあるれっきとした「建造物」だが、最大でも幅2メートル強のコンパクトなパーツをつなぎ合わせた構造で、各都市をスムーズに「移動」できる。建築界のノーベル賞とされるブリツカー賞の受賞歴もある女性建築家ザハ・ハディトさんが設計した。
パビリオンでは、1本のストーリーになぞらえ、各国から選ばれた20組(人)のアーティストがそれぞれのインスタレーションを展開。ストーリーや作品は、シャネルのアイコンの1つである「キルティングバッグ」とも結び付く。ユニークなのは、鑑賞に使われるMP3プレーヤー。パビリオンに入ると来場者は専用のイヤホンを装着、プレーヤーから流れる音声に従い、会場内を巡る「ツアー」感覚の展覧会となっている。
音声に導かれ次々に登場するのは、8つのエピソードから成る現実離れした空間の数々。階段の上り下りや密室空間でのインスタレーション、指示に従い覗き込むものや実際に作品に触れ制作に参加できるものなど、音声ガイドと作品が一体となり、鑑賞者はおのずとストーリーに引き込まれる。参加アーティストは、荒木経惟さん(日本)、イ・ブルさん(韓国)、シルヴィ・フルーリさん(スイス)、ファブリス・イベールさん(仏)、オノ・ヨーコさん(日本)ら。
入場無料(事前予約制、中学生以下入場不可、オンライン予約の場合は別途手数料が必要)。開催時間は11時~18時40分(金曜・土曜は21時20分まで、日曜は10時~18時20分、最終受付は各日終了時間の1時間前)。7月4日まで。
特設会場に出現した「移動式」パビリオン(関連画像)パビリオン内ではさまざまなインスタレーションを展開(関連画像)CHANEL「MOBILE ART」オフィシャルサイトエキサイト×MOBILE ART IN TOKYO