「幻」の雑誌や写真集を中心とした「レアブック」を一堂に集め売り出す展示・即売イベント「レアブック コレクション」が今年も、渋谷・ロゴスギャラリー(パルコ・パート1、TEL 03-3496-1287)で5月16日より開催される。
渋谷パルコの洋書店「LOGOS」併設の同ギャラリーでレアブック展が始まったのは2004年。以来、希少な絶版写真集などが集まるレアな内容が支持を集め、同ギャラリーの恒例企画の1つになっている。5年目を迎える今年は、今後市場価値の高騰が予測される日本人写真家による作品集も積極的にセレクト。会場ではパリやNYの国際アートフェアを模した演出を行うという。
会場に並ぶのは、アート書や写真集の中でも絶版になったものや希少価値のある約100冊。ロシア出身のデザイナー、写真家で米ハーパース・バザー誌のアートディレクターも務めたアレクセイ・ブロドビッチが手がけた雑誌「Portfolio(ポートフォリオ)」は、1950年と1951年にそれぞれ刊行された幻の2冊を販売。60年代、NYで結成され脚光を浴びた演劇集団「ザ・マンハッタン・プロジェクト」のドキュメント「Alice in Wonderland」(1973年ハード判)には、写真家リチャード・アベドンが70年代初頭に約1年間かけてスタジオ撮影したモノクロ写真約100点が収められている。
洋書はほかに、今年ドキュメンタリー映画も公開され話題を集めた女流写真家、アニー・リーボヴィッツさんの作品集「Photographs Annie Leibovitz 1970-1990」(1991年)なども。同書では米ローリング・ストーン誌などで活躍し、ジョン・レノン最後のポートレートを撮ったリーボヴィッツさんの写真史を振り返ることができる。
今年特に力を入れたのが、ファッション、コマーシャル分野などの商業写真分野で活躍した日本人写真家による作品集。篠山紀信さんをはじめ、90年代ガーリーフォトブームの立役者となったヒロミックスさん、著名女優を次々と起用した「死体のある20の風景」シリーズなどで知られる伊島薫さんら、第一線で活躍する写真家のタイトルがそろった。
期間中、会場では写真家NAOKIさんのアート写真展も開催。2006年、エーゲ海で撮影されたフォト・ストーリー約15点に加え、NAOKIさんのプライベートコレクションでもある、有名人の直筆メッセージ入りポラロイド写真をコラージュした作品も展示予定。
開催時間は10時~21時(最終日は17時閉場)。入場無料。5月28日まで。