渋谷「アップリンク・ファクトリー」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)は2月12日より、旅人映像作家キム・スンヨンさんが中国雲南省に住む少数民族の「ファッション」に迫ったドキュメンタリー「雲南 COLORFREE」を期間限定上映する。
在日コリアンのキムさんは、チベット民族の現状を追った前作「チベットチベット」(2001年)が各国の映画祭に正式招待されるなど、世界を旅しながら撮る独自のスタイルに注目が集まる「旅人映像作家」。世界35カ国を旅してきたキムさんが今回旅先に選んだのは、多くの少数民族が共存することでも知られる中国雲南省。外国人が訪れることの少ない奥地の山岳地を訪ね、手作りながらも進化を続ける民族衣装の世界をカメラに収めた。
ナレーションや字幕などによる説明は加えず、時系列も「無視」して編集された43分のフィルムに流れるのは、バンド「ボアダムス」「OOIOO(オーオーアイオーオー)」のメンバーとしても知られるYOSHIMIさんが即興演奏で制作したオリジナル楽曲。キムさんがこの旅路で「ずっと聴いていた」というバンドが、YOSHIMIさん率いるOOIOO。帰国後YOSHIMIさん本人に音楽を依頼し、「共演」が実現した。
完成したのは、YOSHIMIさんが映像を見ながら即興演奏し、撮影時の素材音とかけ合わせたオリジナル楽曲。ゲストプレーヤーにソニックユースのキム・ゴードンさん(ボーカル&ギター)、サイコババ・YOSHIDADAIKITIさん(シタール)らを迎え、世界の民族楽器やシンセサイザーなどさまざまな楽器で新しい独創的な民族音楽に仕上げた。
アップリンク・ファクトリーでは同12日から5日間にわたり、同作の完成を記念した限定上映を行うほか、期間中は前作「チベットチベット」も上映。トークイベントでは、著名スタイリスト高橋靖子さん(14日)、女優の鶴田真由さん(15日)らがゲスト登場、16日にはライブイベントも開催する。
鑑賞料は、1作品=1,300円(2作品通しは2,000円)。トーク付き上映は1,800円、ライブイベントは予約=2,200円、当日=2,500円。