裏原宿の1室からアート発信-「ウラハラ藝大」本格始動へ

裏原宿の雑居ビル内になる「ウラハラ藝大」の前で、運営事務局長の瀬尾泰章さん(写真)

裏原宿の雑居ビル内になる「ウラハラ藝大」の前で、運営事務局長の瀬尾泰章さん(写真)

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 「藝大」と名付けたコミュニティーに人が集まり、チームで「アート」を磨き合う――そんなコンセプトのもと、新しい企画を生み出すユニークなプロジェクトが動き出した。

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 裏原宿の雑居ビルの1室にある「ウラハラ藝大」(渋谷区神宮前3)では、写真スタジオにもなる真っ白な空間で、参加者が「教授」となり「クラス」のコマを担当。決められたルールはなく、各個人が好きなようにスタジオを使い、コミュニケーションの場を広げている。

 企画したサクラヤスユキさんは、人間彫刻パフォーマンス「カブトプロジェクト」などの作品で注目を集める現代アーティスト。「人と人がつながる『感動的』なシーンを見たい」との思いから、プロジェクトを立ち上げた。「深い意味は実践しながら考えていく」との言葉通り、成功や失敗を気にせず「プロセス」に重点を置くプロジェクトを目指している。

 参加者の「教授」に割り当てられるのは、週1回、裏原宿の1室を利用できる2時間前後の「コマ」とホームページの専用枠。12月の開講後すでに、ニューヨークやロンドンなど海外でも活躍する舞台芸術団体「カンパニーイズル」が古典芸能の方法論に基づいた身体トレーニング教室を開講した。来年1月からは、雪氷工学などの「雪博士」として知られる諸橋和行教授や、工作や壁画などで色を遊ぶ「カラフルチルドレン」代表の吉岡利恵さんら、さまざまな面々が続々と開講を予定している。

 ユニークなのは、部屋全体が写真スタジオになっている点。ここでは、人が集まる時、常にその様子を写真におさめる専属フォトグラファーがいる。瀬尾泰章さんは、サクラさんがNYに滞在していた時に知り合ったというフォトグラファー。「いいモチーフと出会い『感動』の火種を撮ればいい」(サクラさん)と、瀬尾さんを指名し、運営事務局長を任せている。

 瀬尾さんは「いろいろな分野の人が集まることで、お金では買えない『団結力』を生み出したい。その様子を自分も楽しみながら撮りたい」と話す。チームが「団結」したあかつきには「参加者同士のコラボレーションで、いずれはコマーシャルな仕事もしていきたい」と考えている。

 コマを持てるのは、スタジオ使用料などを払う有料の「教授」と「非常勤講師」。このほかにも、来年からの本格始動に向けて運営を協力する「助手」(インターン)や、海外や地方でこの活動を広げる「海外特派員」「地方特派員」としての参加も呼びかけている。

ウラハラ藝大

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