ソニーは11月27日午後、原宿のカフェ「kurkku kitchen」(渋谷区神宮前2)で会見を開き、同日より正式にサービスを開始したブログウィジェットサービス「FLO:Q(フローク)」と、新たにスタートするデスクトップウェイジェットサービスについて説明を行った。
「ウィジェット」は、デスクトップなどで特定の機能を実行するための簡易的なアプリケーション。嗜好やテーマに沿ってサイト上に張り付けられるブログパーツなどもその一種で、ユーザーはウェブ上のテキストや動画、音声などのコンテンツをデスクトップやブログ上に「常駐」させられるのが特徴。ソニーでは、ブログウィジェットサービス「FLO:Q」(β版)を昨年10月に実装、今年11月現在で会員ユーザー数を5万人まで広げてきた。
同27日には同サービスを正式オープンすると同時に、デスクトップ上で稼働する新ウィジェットサービスのβ版も新たに発表した。会見に出席したソニー・コーポレートディベロプメント部ネットメディア開発室の竹下直孝プロジェクトリーダーは、他社サービスとの違いについて「煩雑なプロセスを徹底して排除した『使いやすさ』」を強調。併せて、編集機能やコミュニティー機能にこだわった「自由な使い方」を提案し、今後企業やクリエーターとも連動しながらウェジェットの認知拡大に努める方針を明らかにした。
新たにβ版サービスを開始したFLO:Qデスクトップウィジェットは、オフラインのデスクトップ環境でコンテンツやコミュニケーション、アプリケーション機能を統合したサービスを実現する米アドビシステムズが開発中のソフト「Adobe AIR」(β版)を使ったサービス。ユーザーは同ソフトとサービス専用のウィジェットマネージャー(いずれも無料)をインストールすると、マイページ上で設定を行い、デスクトップに好みのウィジェットを持ち出すことができる。
FLO:Qでは各社の動画投稿サービスやブログサービスなどのウェブサービスとAPIで連携しているため、ユーザーは1クリックでコンテンツを編集できる。現在、動画やフォトなどの国内サービス約30社に加え、ブログサービスプロバイダー約40社と連携している。ユーザー間のコミュニティーでは、自ら設定した「マイウィジェット」を友人などと情報共有できる公開機能も設けた。
今後は博報堂DYメディアパートナーズ(港区)と組み、ウィジェットサービスを活用した広告展開に乗り出す。企業ではすでに、味の素が日付とともにレシピを紹介する「日めくりレシピカレンダー(仮称)」サービス、J-WAVEがインターネットラジオ番組と連動した南極関連の情報サービス、ユニクロが世界のアートシーンを紹介するサービスを、それぞれ独自の企画で進めており、今後は個人クリエーターらとコラボレートしたオリジナルウィジェットも開発していく予定。また、自社の動画共有サイト「eyeVio:アイビオ」とも連動し、サービスの拡大を目指す。
デスクトップウィジェットサービスは、「Adobe AIR」の正式実装を待って正式リリースする方針。