東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099、以下「写美」)は、戦後日本を代表する写真家の一人、東松照明(とうまつしょうめい)さんによる個展「Tokyo曼蛇羅」を開催している。
東松さんは1930年生まれ、名古屋市出身。1954年愛知大学を卒業後上京し、岩波写真文庫のスタッフを経て、1956年からフリーランスの写真家として活動を始めた。名古屋、東京、沖縄など次々と拠点を変えながら特定の地域に焦点を当てた作品を発表し、欧州や米国でも写真展を開くなど、世界的評価も高い。
10月下旬から開催中の「Tokyo曼蛇羅」展は、「長崎マンダラ」(2000年)、「沖縄マンダラ」(2002年)、「京まんだら」(2003年)、「愛知曼蛇羅」(2006年)に次ぐ「マンダラ」シリーズ第5作にして、同シリーズの「最後」に位置付けるもの。同展では、1950年代末期~90年代にかけて、東京を中心に千葉、神奈川など関東周辺で撮影された東松さんの代表作に加え、同時期に取材撮影でとらえたシリーズも展示する。
展示作品は、過去のネガまでさかのぼり選出した未発表作や、写美の収蔵作品、新たにインクジェットプリントで制作した作品などを含む全307点。長年にわたり「日本」を見つめ、地域の日常と一体になりながら撮影を続けてきた東松さんの「原点と現在」が垣間見える展示内容となっている。
会場は2階展示室。観覧料は、一般=800円、学生=700円ほか。12月16日まで。