神宮外苑絵画館前で始まった「東京デザイナーズウィーク」の開幕と同日の10月31日、同じく外苑エリアにある国立競技場では、国内外の気鋭クリエーターがエキジビションなどを披露する複合デザインイベント「DesignTide(デザインタイド)」が始まった。
今年で3年目を迎えるデザインタイドは、「デザインを楽しもう」との思いを込めた「PLAY」がテーマ。メーン会場となる国立競技場では会期中、体育館や屋外の芝生エリアなどを貸し切り、各国の参加者がオリジナルプロダクツやインスタレーションなどを披露している。
約50組のクリエーターが参加するメーン企画「タイドエキジビション」と、今年のテーマを凝縮した展示企画「タイドシンク」は、屋内の体育館が会場。館内は黒を基調に倉庫のような空間へと一変。照明などのインテリアや巨大な仕掛けのインスタレーション、独創的なプロトタイプ製品などが所狭しと並び、来場者を飽きさせない。
若手のインキュベーション活動などを行うNPOクリエイティブクラスター(横浜市)がプロダクトデザイン集団「f.a.t.」と音響メーカー「タグチ」との協業で発表した「SUPPER」は、ワインボトルやグラスなどのテーブルウエアから着想を得た新感覚サウンドシステムを展示。ジュエリーデザイナーを本職とし、香港を拠点にするWinnie Luiさん(innnermost)は、靴やゴーグル、ぬいぐるみなどの廃品を使ったシャンデリアを出品した。
バルセロナ生まれで、現在は東京でデザイン業を行うロジャー・アイバースさんも、日本製のゲーム機や古くなった携帯電話などの製品を再活用した1人。デジタル時計とピストル玩具を組み合わせて使うアラームは、時計に向かってピストルを打つとタイマー設定などができるユニークなプロトタイプ作品。会場では、オフィスで遊ぶ「エコ商品」(アスクル)や、木材に比べ伐採までの期間が短い竹を使った「竹集成材プロジェクト」の展示など、環境問題に取り組んだ作品も多く見られた。
物販ゾーンの「タイドスーパーマーケット」には国内外から26のブランド・企業が参加。ネクタイ専門ブランド「ジラフ」や、7人の男性「手芸部員」が作る手製の手芸品「押忍!手芸部」、ノルウェーのデザインチーム3組による「ノルウェーデザイン」などが出店。各ブースともレイアウトやブックレットなどの「見せ方」にもこだわり、来店を呼びかけている。
今年初の企画となるトレードスペース「FROM」では、敷地内の人工芝スペースを活用し「E&Y」など8社のブランドが自社商品を展示。会期中は、青山・原宿・渋谷・六本木エリアにあるインテリアショップ、ギャラリー、カフェなど53会場でも関連イベントを開催する。メーン会場の入場料は1,000円。11月4日まで。
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