写真でたどる「昭和」史完結編-バブル期への崩壊と変貌

山内道雄「東京 阿佐ヶ谷 1985年8月」、「街」より 昭和60(1985)年

山内道雄「東京 阿佐ヶ谷 1985年8月」、「街」より 昭和60(1985)年

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)は10月20日より、戦後の「昭和」史を4シリーズに分けて振り返る自主企画「『昭和』写真の1945-1989」の第4部「オイルショックからバブルへ」(昭和50年代以降)を開催する。

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 最終シリーズとなる第4部では、昭和50年代から平成に変わるまでに撮影された作品を紹介。オイルショックなどの影響による低成長期やバブル期など、経済情勢も大きく変動したこの時代、自らの内面と向き向き合いながらも社会が孕(はら)む問題を写し出した写真家たちの作品約600点から、時代をひも解いていく。会場は3階展示室。

 同展では、時代や写真表現の変容など異なる3つのテーマで作品を展示する。パート1「ゆるやかな崩壊」は、高度成長期後、オイルショックを経て安定成長期に入った日本経済の背景に写る日常風景を紹介。風景写真の中にも個人の視点を光らせ、伝統や地域社会の崩壊を浮かび上がらせる新たな方法論も生まれた。

 パート2「内向する風景」では、東京をはじめ各地で広がった若手による新たな「流れ」を取り上げる。自主ギャラリーの運営、新雑誌創刊など、既存にはない発表の場を求めたこれらの写真家は、それまでの強い主張やメッセージとは異なる内面的な表現を確立した。

 昭和も終幕に近づき、60年代バブル期が始まった「変貌」の時代を追うのは、パート3「変化する風景」。古い家屋が取り壊され、各地で大型ビルの建設が進む中、見慣れた風景の変化を捉えた作品からは、警告や危惧のメッセージを読み取ることもできる。

 出品作家は、山内道雄さん、荒木経惟さん、宮本隆司さんなど。入場料は、一般=500円ほか。12月9日まで。

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