東京都は8月8日、代官山と中目黒の中間エリアで開発を行う「目黒区上目黒一丁目プロジェクト」で、都有地を活用しながら民間事業を推進する「先行まちづくりプロジェクト」を採用する方針を明らかにした。
開発を進めるのは旧山手通り「代官山交番」から目黒川方面に向けて広がる旧国鉄精算事業団上目黒宿舎跡地、約8千平方メートルの土地。東側の約4千平方メートルを都、西側の約4千平方メートルを目黒区がそれぞれ所有し、都と区が共同で2007年度以降の着工を目指す。
採用が決まった「先行まちづくりプロジェクト」は、都営住宅の建て替えなどで新たな利用が可能となる都有地を生かし、都が重点事業として開発を進めるもの。品川区上大崎や東村山市内などの再開発事業も、プロジェクトの実施地区に指定されている。
4地区目となる「目黒区上目黒一丁目プロジェクト」では、周辺の自然や街並みを生かし地域の「回遊性」を高める民間事業を誘致するのも目的。環境負荷の少ないプロジェクト実現や景観・文化などの保護、代官山と中目黒を結ぶ歩行者ルートの形成などを目標に今年度中にも地区計画を決定、その後プロポーザル方式で民間事業者を募り最も優れた提案を受け入れる方針。
同9日付けの建通新聞によると、都と区は今後商業機能の導入も可能となるよう地区計画を検討、住居以外の導入計画も視野に入れているという。再開発地区の周辺は、地元住民や買い物客らが代官山から中目黒に向かう通り抜けルートとしても知られる。古着店やインテリアショップなどが点在する商業エリアとしても人気が定着する中、今後の動きが注目される。