米サンフランシスコの観光名所で自殺者の多さでも知られる「ゴールデンゲート・ブリッジ」を前に、約1年間にわたりフィルムを回し続けたエリック・スティール監督のドキュメンタリー映画「ブリッジ」(配給=トルネード・フィルム)が6月16日より、恵比寿ガーデンシネマ(渋谷区恵比寿4、TEL 03-5420-6161)ほかでロードショー公開される。
同作の舞台となっているゴールデンゲート・ブリッジ(金門橋)は、全長2,500メートルを超える巨大な吊り橋として多くの観光客が訪れる名所としても知られるが、一方で自殺者の数は世界最大とも言われ、橋から飛び降りて命を落とす人は後を絶たない。同作では、「アンジェラの灰」(1999年)などの社会派作品で知られるスティール監督が、現代社会が抱える「自殺」の問題に鋭く切り込む。
劇中には自殺者が飛び降りる衝撃映像も含まれるが、全体を通して描かれるのは、橋で命を絶った人の肉親や友人たちの「思い」や奇跡的に命を取り留めた青年、志願者を食い止めた人々の証言など、その背景を探る人間模様。監督は同作で命の大切さを訴えるほか、橋に自殺防止用の柵を設置する運動にも参加しているという。
同16日に初日を迎える恵比寿ガーデンシネマでは、ゲストに俳優の保阪尚希さんとNPO法人・ライフリンクの清水康之代表を迎え、「自殺対策」に関するトークイベントを開催する。