カルピス、味の素の完全子会社に-株式交換で上場廃止へ

恵比寿南3丁目にあるカルピス本社ビル。会社は上場廃止後も株式会社として存続する

恵比寿南3丁目にあるカルピス本社ビル。会社は上場廃止後も株式会社として存続する

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 飲料メーカー大手のカルピス(渋谷区恵比寿南2)は6月11日、筆頭株主の味の素(中央区)と株式交換を行い、味の素の完全子会社になることで合意したと発表した。味の素グループは提携強化により、「カルピス」ブランドの持つ健康イメージや商品開発力で健康関連事業の拡大を目指す。

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 株式交換比率はカルピスの普通株式1株に対して、味の素が普通株式0.95株。味の素は、150万株を超えない株式には自己株式を、150万株を超える株式については新たに普通株式を発行し、それぞれカルピス株に割り当てる。カルピスは9月25日付けで上場廃止し、10月1日に行われる株式交換をもって味の素の完全子会社になる。

 カルピスは、1991年に味の素グループ傘下に入って以来、飲食事業の統合や流通の一本化など国内外の合弁事業を通じて提携を強化してきた。今回の資本関係強化で、味の素の事業基盤を従来以上に活用し、商品開発やアジアをはじめとする海外事業、各種コストの見直しなどで新たな成長を見込む。

 上場廃止後も味の素グループ飲料部門の「中核」を担う独立した株式会社として営業を続けるほか、当面は現経営陣による経営体制を維持していくという。現時点で会社の移転などは発表されていない。

カルピスは1917年に「ラクトー」として創業。2年後の1919年(大正8年)7月7日に乳酸菌飲料「カルピス」を発売し、キャッチフレーズ「初恋の味」が話題を呼ぶなど同商品がヒット。1949年に上場してからはワインやミネラルウオーターの輸入業にも進出し、その後味の素と提携、1991年に両社の飲料事業を統合している。

カルピス味の素

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