東急電鉄(渋谷区南平台町)と東急百貨店(道玄坂2)は3月27日、百貨店事業について伊勢丹(新宿区)と包括的な業務提携を行うことで合意したと発表した。
提携では、百貨店経営の根本課題や解決策など両社の事業ビジョンを共有、ともに首都圏を強みとする店舗網を生かし「営業全般の業務精度を上げる」という。提携後も資本提携は行わない方針。
4月中にも伊勢丹から2人の役員を迎え入れ、それぞれ東急百貨店の専務取締役、常務取締役に就任させる。就任するのは、伊勢丹執行役員支店・グループ統括部長の上野直樹氏(専務取締役)と、同執行役員クイーンズ伊勢丹代表取締役社長の小俣裕史氏(常務取締役)。
提携後は情報システムなどの営業基盤を伊勢丹側から導入し、「数年内に顧客情報の収集や計画・仕入れ・販売にいたる一連の業務を合わせていく予定」(両社)。これにより、営業面でノウハウを共有するとともにMDを強化、両社を通じた全体のCS(顧客満足)向上に繋げていく考え。
27日付けの一部新聞で「渋谷店(東横店)を大幅リニューアルする」と報道された件について、東急百貨店広報部は「(2008年6月に開通する)副都心線周辺の動きで渋谷エリアの再開発が活発化する可能性は十分に考えられる」としながらも、「『渋谷店リニューアル』との発表は現時点で一切していない」とコメント。東急電鉄広報部も同様に「(副都心開業で)ビルの建て替えなどは視野に入れているが、(東横店リニューアルの計画について)具体的な事実はない」としている。