Q&Aサイト「OK Wave」を運営するオウケイウェイヴ（渋谷区恵比寿1）の社長で、起業前に約2年間のホームレス生活を送ったことでも知られる兼元謙任（かねもと・かねとう）さんの半生を書き下ろした著書「ホームレスからのリベンジ」が3月6日、小学館文庫から発売された。

　愛知県出身の兼元さんは、愛知県立芸術大学を卒業し京都、名古屋などの企業に勤務した後に単身上京。WEBデザインを一から学ぶ中で自らの経験を生かし、OK Waveの原案となるQ&Aサイトの立ち上げに至る。上京生活の中で野宿生活を過ごしたエピソードは有名で、これまで多くのメディアにも取り上げられるなど、その特異な経歴も注目を集めてきた。

　会社設立は1999年7月。およそ半年後の2000年2月には、当時IT関連のベンチャー企業が相次いで起業し「ビッドバレー」と呼ばれるネットベンチャー・ブームが起きていた渋谷（渋谷区道玄坂1）に本社を移転。気になる悩みや質問、相談事などをネット上に投書し、回答が寄せられる仕組みの「OK Wave」を国内最大級のQ&Aサイトに成長させるとともに、昨年6月には名証セントレックスへの上場を果たした。

　同書では、幼少時代のエピソードやホームレス経験、起業に至った経緯など兼元さんの半生を振り返るほか、仕事への思いや今後のビジョンなども紹介する。

　OK Waveの会員数は現在約70万人、アクセス数は月間約1.4億PVを誇る。最近では、サイトに寄せられた回答を集めた著書「今週、妻が浮気します」（中央公論新社刊）がドラマ化され話題に。今年2月には業務拡大に伴い渋谷の本社を恵比寿1丁目へと移転している。

OK Wave