デジタル技術を駆使したインタラクティブアートやウェブ作品、アニメーションなど、国内外の「メディア・アート」を一堂に集めて紹介する祭典「文化庁メディア芸術祭」が2月24日、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099)で始まる。主催は文化庁とCG-ARTS協会。
第10回目となる今年は、36の国と地域から寄せられた応募作品1,808点の中から、165点を展示する。受賞部門は、インスタレーションや映像、静止画などの「アート部門」、ゲームやCM、ミュージックビデオを集めた「エンターテインメント部門」、「アニメーション部門」、「マンガ部門」の4部門。各部門では大賞を選出し、優秀賞なども併せて紹介する。
アート部門では、広島市出身の木本圭子さんが「モノクローム、点群のみで視覚的要素を極限に絞った」というオリジナルプログラミングの映像作品「Imaginary・Numbers 2006」(インスタレーション=写真)で大賞を受賞。「バイオハザード」などの人気作の開発にも携わった神谷英樹さんは、日本の「神話」をゲームに取り込んだ意欲作「犬神」でエンターテインメント部門の大賞に輝いた。各部門の大賞はほかに、アニメーション部門=細田守さん「時をかける少女」(長編・劇場公開)、マンガ部門=かわぐちかいじさん「太陽の黙示録」(ストーリーマンガ)。
各部門の映像作品は同館1階ホールで上映する。アニメーション作品(長編)では、「春のめざめ」(アレクサンドル・ペトロフ監督)、「こま撮りえいが こまねこ」(合田経郎監督)、「超劇場版 ケロロ軍曹」(佐藤順一総監督)などの話題作も数多く登場する。
会場では「静止画」「動画」「インタラクティブ」の3部門で学生の優秀作品を展示する「第12回学生CGコンテスト受賞作品展」も同時開催。「先端技術ショーケース」と題しアート表現のための最先端技術が体験できる区画も用意する。関連イベントは、アジアと日本の学生が参加するワークショップ(3月2日)など。入場無料。3月4日まで。©Keiko Kimoto