シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)では11月25日より、「坂口安吾映画祭」として文学者・坂口安吾さんの小説やエッセイを原作とした映画5本を特集上映する。
同祭は、今年の6月から新潟市で行われている「坂口安吾生誕百年祭」の提携企画として、ビジュアリストの手塚眞さんが企画したもの。青山での開催は新潟(10月)に次ぐもの。「生誕100年となるこの機会に、安吾の作品を一堂に集めてみたかった」という手塚さんは同映画祭について、「安吾作品に通底するシュールレアリスムの影響を受けた『白痴』や、推理モノやコメディなどバラエティーに富んだ作風を通して、近代文学を代表する作家の多様性と奥の深さを知ってもらいたい」と話している。
上映作品は、テレビ局に勤務する青年と白痴の女との愛情を描いた「白痴」(手塚眞監督)、国税局と闘争した作家自身の体験を綴った「負ケラレマセン勝ツマデハ」(豊田四郎監督)、山賊と山賊に夫を殺された女との生活を幻想的に描いた代表作「桜の森の満開の下」(篠田正浩監督)、山奥の豪邸を舞台にしたミステリー「不連続殺人事件」(曾根中生監督)、終戦間近の瀬戸内海の村で町医者が奮闘する姿を描いた「カンゾー先生」(今村昌平監督)の5本。入場料は当日=1,500円、フリーパス=3,000円。12月1日まで。(写真=映画『白痴』より ©手塚プロダクション)