松濤美術館(渋谷区松濤2、TEL 03- 3465-9421)では7月25日より、戦前、戦後と過酷な道をたどったポーランドの歴史をたどる「ポーランド写真の100年」展を開催する。
同展は、民主化成立以前の社会主義時代にも前衛的な活動を続け、すぐれたコレクションを築き上げた「ポーランド国立ウッチ美術館」が所蔵する約3万点の作品の中から、ポーランドの歴史と文化をたどる写真や映像約200点を展示するもので、日本でこのような写真展が行われるのは今回が初めてだという。
会場では、戦前・戦後と展示エリアを2区画に分け、他国勢力の侵入により国家の消滅と回復を繰り返した同国の歴史を1920年代までさかのぼって紹介するほか、ロシアなどのアートカルチャーに影響を受けた現代の作品も展示。作品の中には版画の技法に近いものもあり、写真の質感も多様な内容になっている。また、1本につき10分~20分の記録映像も数本、資料として放映される。
開館時間は9時~17時(月曜休館)で、入館料は一般=300円ほか。8月27日まで。(写真=「逃走」アンジェイ・ワイダ、1950-51年)