学芸員が個人的な視点で作品選び-写美で企画写真展

エリファレット・ブラウン・ジュニア「田中光儀像」1854年 ダゲレオタイプ

エリファレット・ブラウン・ジュニア「田中光儀像」1854年 ダゲレオタイプ

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099、以下写美)では初の試みとして、同館収蔵の写真の中から学芸員ら所属スタッフが個人的な視点で厳選した作品を集めて展示する「キュレーターズ・チョイス展」を開催している。

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 1988年から15年に渡りコレクションされてきた収蔵写真は時代・地域を問わず集められた2万3千点以上で、作品の約70%は日本人によって収められたもの。同館では、開館10周年を記念して昨年4月から約7カ月に渡ってコレクション展を開催、一部を公開した経緯がある。

 同展では、作家やテーマがあらかじめ決められた通常の展覧会に比べ、スタッフ個人が「パーソナル」な視点で選んだ作品約150点を展示。選出には、福原義春館長をはじめ専門調査員や学芸専門員など計15人以上のスタッフが参加した。主な展示作品は、安政時代にペリーとの諸交渉を務めた田中光儀を収めた銀板作品で、2006年に重要文化財にも指定された「田中光儀像」(エリファレット・ブラウン・ジュニア撮影、1854年=写真)や、日本初の商業写真家としても知られる画家の下岡蓮杖による「豆腐売り」(明治初期)、林平吉の「静物」(1925年)など。

 会場では、作品毎に各スタッフのプロフィールと選出の理由・コメントなども併せて展示。専門調査員の金子さんは「美術館というのは(中略)その魅力を伝える人力によっても成り立っている」とし、展覧会の目的について「写美がどういう人(スタッフ)によって運営されているのかを伝えたい」とコメントしている(写美公式サイトより)。料金は一般=500円、学生=400円ほか。7月17日まで。

東京都写真美術館

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