森ビル(港区)は12月9日、表参道・同潤会青山アパート跡地に建設中の複合施設「表参道ヒルズ」を、報道陣に向けて先行公開した。公開に伴う会見には、設計を担当した建築家の安藤忠雄さんや森稔森ビル社長らが出席し、開発・設計コンセプト、ロゴデザインなど、施設概要を明らかにした。「表参道ヒルズ」は、西館、本館、同潤館の3つの建物から成る商業施設と住宅、駐車場などで構成される複合施設で、地上6階地下6階、延床面積は34,061.72平米。総工費には189億円を費やした。建物竣工は2006年1月で、商業施設は2006年2月11日の開業を予定している。冒頭の挨拶で森社長は、同施設が世界に向けて発信する「メディアシップ」であることを強調したほか、神宮前四丁目地区市街地再開発組合事務局の中河吉秀さんは、関東大震災後、国内で初めて本格的な耐震耐火構造を取り入れた旧同潤会青山アパートについて触れながら、組合設立(2002年10月)や、工事着工(2003年8月)など、再開発事業の経緯や取り組みについて説明した。また、建物について安藤さんは、商業施設部分の特徴ともいえる、表参道の坂とほぼ同じ勾配で設計した螺旋状の坂「スパイラルスロープ」のほか、施設の屋上に設ける緑比率30%の庭園について「可能な限り緑化することで、表参道のけやき並木や明治神宮など、周辺の自然との繋がりを確保したい」と述べた。同施設では、表参道沿いの壁面を演出するLEDライトや、施設のエントランスに沿って水路などが設けられるという。同施設のロゴデザインはタイクーングラフィックスが手掛け、明治神宮の鳥居や建物内部の「スパイラルスロープ」などをイメージし、表参道の「参」を頭文字の「O(オー)」で囲んだデザインも正式に発表された。
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