3月5日、映画「渋谷物語」が全国一斉公開された。渋谷では「渋谷TOEI 1」(渋谷1、TEL 03-5467-5773)でレイトショー公開(連日18時30分から1回上映)される。同作は、戦後動乱期の渋谷を舞台にした、安藤組元組長、安藤昇氏の伝記的映画。同氏は昭和20年9月、特攻隊の生き残りとして復員、再開したかつての仲間や特攻隊同期と共に昭和27年、渋谷を拠点に東興業(安藤組)を立ち上げた。「安藤組」は勢力を拡大し、あっという間に全国的に知られるようになったが、昭和33年6月、東洋郵船横井英樹社長襲撃事件で組長の同氏自身が逮捕され組織力が低迷、出所後、同氏は安藤組を自主解散し、その後は俳優に転身、現在もプロデューサー業を中心に活躍している。同氏の軌跡を辿る作品は多く、映画、Vシネマ、実録ドキュメント、自伝小説等を合わせると89本を数え、同作は90本目の作品となる。また、製作に際しては徹底した時代考証が重ねられ、当時の「闇市」をリアルに再現した本格的セットが設けられたほか、当時の風俗、小道具、衣裳などが緻密に再現されている。さらに、同作サイトでは劇中シーンと連動した「昭和30年渋谷マップ」も掲載されている。出演は村上弘明(安藤昇役、写真)、南野陽子、遠野凪子、渡辺裕之、松方弘樹、津川雅彦、風間トオル、永島敏行、榎木孝明らに加え、安藤氏自身も本人役で特別出演している。東映ビデオ配給。122分。
「渋谷物語」オフィシャルサイト