
コーヒーとラザニアのペアリングを提案するカフェ「COLORS CAFE」(渋谷区恵比寿南1)が3月3日、恵比寿西口にオープンした。経営はCOLORS(同)。
デザイナーで写真家の同社社長・濱田聖也さんは、「コーヒー好き」が高じて、12~13年前に機械を購入し豆の焙煎(ばいせん)・卸を始め焙煎師としての活動も始めた。かねて「カフェを開きたい」という思いを抱いていた中、昨年、店が入居する駅から徒歩5分ほどのオートロックのビルの上層階となる8階に区画が空いたことを機に、出店を決めた。
コーヒーとのペアリングを模索し、北参道のイタリア料理店「LITA」のオーナーシェフ市川大介さんと出会ったことから、ラザニアに行きついた。フードは全て市川さんが監修する。同社は同店オープンに向けて立ち上げた会社で、「COLORS=いろいろ」という社名の通り、いろいろな組み合わせの事業を展開していきたい考え。
ビルのエントランスには看板を出さず、インターフォンを押して入店する。店舗面積は約30平方メートル。席数はテーブルとカウンター合わせて13席を用意。店内は、「ブルーグレー」を基調に、家具などに淡いベージュを合わせる。BGMにはAI(人工知能)で生成した「コーヒーの曲」を流す。「ゆっくりと空間を楽しんでほしい」とWi-Fiや電源も備える。
ラザニアとコーヒーは共に「白(ビアンコ)」「緑(ヴェルデ)」「赤(ロッソ)」「黒(ネロ)」の4色をコンセプトに味を用意し、同じ色同士のペアリングを推奨する。メニューは、「大人のお子さまランチ」をイメージした選べるラザニアをメインに、サラダや総菜、デザートが付くプレートとコーヒーのセット(2,750円)と、コーヒー(お代わり自由)とスイーツのセット(1,650円)を用意。
ラザニアは、ベシャメルソースとひき肉などをベースとした、市川さんが修業した北イタリアのエミリア地方・ロマーニャ州の伝統的なラザニア「ビアンコ(白)」を主力に、1カ月程度で食材を変えながら4種類用意する。現在は、「ヴェルデ(緑)」が牛乳で煮込んだサツマイモとバジルペーストと合わせたホワイトソース、「ロッソ(赤)」がトマトソースと旬の魚介類を煮込む、「ネロ(黒)」がトマトソースで煮込んだ米にトマトソースやバターと煮込むイカ墨ソースをかけるリゾットを、それぞれ提供している。
浅いりがメインとなるコーヒーは、シングルオリジンコーヒー専門店「GLITCH COFFEE & ROASTERS」(神保町)の豆を中心に、各色2種類・計8種類を常時扱う。ビアンコは、「NYERI GURA AA」(ケニア)など「クリーンで飲みやすい」風味、ヴェルデは「HALO HARTUME」(エチオピア)など「風味がしっかりと出る」豆、ロッソは「TARRAZ EL DIAMANTE」(コスタリカ)といった特殊製法など、それぞれ「個性が強い」風味をそろえた。ネロは、「KERINCI MOUNTAIN HT MUKHLIS」(インドネシア)など、濱田さんが深めに焙煎する豆を中心に用意する。
濱田さんは「普段コーヒーは食後などに飲まれると思うが、食事をしながらコーヒーを飲むスタイルを体験していただければ」と話し、ペアリングについて「思いのほか合うと思う。試す行為自体が楽しいと思うので、それも含めて体感してほしい」と来店を呼びかける。
営業時間は11時~18時。土曜・日曜・祝日定休。