
Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が3月12日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で川崎ブレイブサンダース(以下、川崎)と対戦し83-66で勝利した。
立ち上がりから守備で主導権を握ったSR渋谷。田中大貴選手やベンドラメ選手は川崎のパスをカット、ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア選手は「ルカ(・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))からディフェンスで勢いをもたらしてこいと言われていたし、絶対に何かしてやろうというマインドをつくってコートに立っている」と、出場直後に川崎のミスを誘った。攻撃面ではアンソニー・クレモンズ選手が3ポイント(P)シュートなど自らの得点に加え、アリウープパスでリード・トラビス選手をアシストするなどしてリズムを作た。
22-10で迎えた第2クオーター(Q)も守備が光る。ダブルチームやシュートをブロックする好守から速い展開に持ち込み、トロイ・マーフィージュニア選手のダンク、ジョシュ・ホーキンソン選手のバスケットカウント(得点に加えフリースロー)など連続得点を挙げる。チャンスを生んだ守備を見せたハーパー選手は「すごく良いバスケットができていた」と振り返った。同Qはケビン・ジョーンズ選手が得意とするゴール下での1対1や3Pシュート、2人にチェックされながらもシュートを沈めるなど得点を引っ張り、46-25で前半を折り返した。
後半立ち上がりは、身長差のある選手に守られていたホーキンソン選手が起点となりパスを回し攻撃を組み立てる。川崎が守り方を変えてきた際には、SR渋谷がベースとしているスクリーンを使ってずれを作る攻めるなど、堅実なプレーを続けた。残り約7秒からの攻撃でベンドラメ選手が決めるなど、チームで8本中6本の3Pシュートを決めた第3Q。ノーマークの場面で沈めたハーパー選手は、前半にオープンのシュートを外していたことなどから「自分のシュートを決められずにここまできていて、3Q終盤にかけてトロイが自分をノーマークにしてくれたのでそれを決められて良かった」とパスを出したトロイ選手と体をぶつけあうなど喜びを表現した。76-43で迎えた最終Qは攻守で精度・強度が落ちる場面も見られたがリードを守り切り勝利。水曜ゲームは今季負け無しの7勝目となった。
終盤はこれまであまり見せていない組み合わせで戦ったが、パヴィチェヴィッチHCは「サップ(=クレモンズ選手)とジョシュが30分プレーすることが多いが10分以上休ませたい。全員が責任をもって外国籍選手2人、日本人ガード3人でも戦える時間を延ばすことを試みている。JJ(=ハーパー選手)が加入しトロイが成長したことで計算できるようになってきた」と起用理由を話した。
守備に定評があるハーパー選手は攻撃面では司令塔となる役割だが、「プレーを作って仲間を生かして、チャンスがあれば攻める決めるというマインドでやっているが、サップの安定感や波のないプレーをやらないといけないし、礼生さんもそうだが高い精度でシュートを決められるのを見て、自分もその精度で決めないとBリーグで戦っていけないと感じている」と課題を挙げる。
今月上旬の連敗後、2試合連続で堅守と安定した攻撃を見せているSR渋谷。パヴィチェヴィッチHCは「試合そのものよりメンタルの部分が大きかったと学んだ。選手たちには持ち直すことができるのかを聞いたが、そこからのリアクションはこの2試合しっかり現れた」と評価しつつ、次節はアウェーでの戦いになることから「そこでどれだけ表現できるかがテストになる」と気を引き締める。