
Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が3月5日、青山学院記念館(渋谷区神宮前4)で群馬クレインサンダーズ(以下、群馬)と対戦し82-51で快勝した。
群馬のシュートを止めるトロイ・マーフィージュニア選手とジョシュ・ホーキンソン選手
前節連敗したことをモチベーションに「勝たなくてはいけない試合」(リード・トラビス選手)と臨んだこの日。立ち上がりは、インサイドを起点に狙ってきた群馬に対して、ジョシュ・ホーキンソン選手が体を張るなどして約3分半失点を0に抑える。その間に、先制の3ポイント(P)シュートを決めたアンソニー・クレモンズ選手がアタックから得点を重ねるなどして2桁リードを奪うことに成功した。
22-8で迎えた第2クオーター(Q)は、強度の上がった群馬の守備に得点のペースが落ちると同時にチームとしてファウルがかさむ序盤となる。それでも、途中出場したクレモンズ選手がプレッシャーに負けずホーキンソン選手のインサイドや、トロイ・マーフィージュニア選手の3Pシュートなどをアシスト。ホーキンソン選手とマーフィージュニア選手は2人で群馬のシュートをブロックする好守を見せた。終盤には、トラビス選手がリバウンドでボールをつなぐなどゴール下で強さを見せ、37-24で前半を折り返す。
後半立ち上がりは点の取り合いとなるが、トラビス選手がフィジカルの強さを見せて難しい体勢から連続でシュートを決める。加えて、群馬のシュートをブロックする好守を見せた直後の速攻に走り豪快なダンクでチームに勢いをもたらした。トラビス選手は「センターとしてフィジカルに戦うことが仕事だと思っているし、そういうマインドセットで毎回やっている。それができて良かった」と振り返った。終盤にはケビン・ジョーンズ選手が連続でシュートを決めるなどして64-43とリードを広げて最終Qに突入した。
最終Q立ち上がりは群馬に連続得点を許すが、ベンドラメ礼生選手がアシストや得点を重ね流れを渡さず、マーフィージュニア選手は群馬の選手の上からダンクを沈め場内を沸かせた。守備の手も緩めることなく、スローインのボールを入れさせない集中力を見せたほか、ミスを犯した後もすぐ守備に戻りボールを奪い返し、速攻で得点を挙げる場面もあった。この日は1度もリードを許すことなく勝ち切った。
今季最少失点となる堅守を見せたが、ガード陣が粘り強く選手を追いかけるなどして群馬の3Pシュートの成功確率約10%に抑えた。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は「我々はリーグの中で最もディフェンシブなチームだと自負している」と自信をうかがわせつつ、「重要なのは鍵となる部分がどこにあるのかを把握すること。一貫性をもってタフにスマートにやり切ったからこそ勝利できた」と触れた。
21得点を挙げたトラビス選手は後半、シュートを決めた後に自身の顔の前で手のひらを振るセレブレーションを見せたが、「あれだけハードに戦って、打ち負かした時に何か表現したかった。トラッシュトークは好きじゃないのであのジェスチャーに込めた」と振り返った。試合中はあまり感情を表に出さないが、「相手が何をしてきても、自分の中でエナジーを溜めて自分がどうプレーするかに集中している。正しくチームに何をするべきかを冷静にプレーしたいと考えている」とその理由を明かした。
バイウイークを挟んだことなどから約2か月ぶりにメインのホームアリーナである同所で試合をしたSR渋谷。パヴィチェヴィッチHCは「これだけファンが後押しをしてくれたことがすごく心地よく、支えになってこのような試合ができた」と触れ、トラビス選手は「見てわかるように素晴らしい雰囲気だし、コンパクトだからかファンの声がすごく届いていて、それが大きなアドバンテージになっている。ここで戦うこと、エナジーをもたらせてくれるこのアリーナを愛している」と話した。