
原宿・竹下通りに3月5日、イトーヨーカ堂のファンシー雑貨の新業態1号店「TOYLO MART(トイロマート) 原宿店」(渋谷区神宮前1)がオープンした。
店舗面積は99平方メートル。キャラクターグッズやコレクショントイ、カード、テレビゲームなどを中心に、「トレンド性の高い」エンタメ商材を取りそろえる。同社が1985(昭和60)年から営業していたアパレル店「グッディハウス原宿店」を業態転換。同店はコロナ禍でアパレルの売り上げが落ちた2020年ごろからキャラクター雑貨の取り扱いを始め、昨年同社がアパレル事業から撤退したこともあり、1年ほど前からは現在に近い品ぞろえとなっていたが、今回、屋号を新たに付け替え出店したという。
「TOYLO(トイロ)」ブランドは、2021年4月からファミリー向けに展開する大型の体験型おもちゃ売り場「トイロパーク」を現在7店舗展開。来店動機を、「買う」ことから「遊ぶこと」にシフトした売り場を導入することで、「館としての売り上げも伸びている」(同社スクール&ホビー部総括マネジャーの山幡耕司さん)など好調で、文房具やスクール用品を中心とした「トイロスクール」3店も展開している。流行発信地の原宿に出店し「戦略的拠点」と位置付け、トイロブランドの認知拡大を目指す。
昨今、子ども(キッズ)と大人(アダルト)を組み合わせた造語「キダルト」が近年注目を集め、カプセルトイやトレーディングカードなどおもちゃ市場が伸びていることから、トイロマートは、トイロパーク業態からキャラクターグッズやバラエティー雑貨を中心に「スピンオフ」。サンリオや任天堂、ミッフィー、スヌーピー、となりのトトロ、ちいかわ、すみっコぐらし、ドラえもんなどの商品を並べ、ぬいぐるみやキーホルダー、シール、「一番くじ」をはじめ、筆箱、鉛筆などの文具、ポーチやヘアクリップ、ハンカチ、歯ブラシセット、バスボムなどの日用品などの商品7000~8000SKU程度をそろえる。和柄を取り入れたアイテムや箸、訪日外国人を意識した商品も扱う。
ターゲットは、若いファミリー(幼児小学生)層や中高生、Z世代、訪日外国人など。土地柄、来店客の6割程度は訪日外国人を見込む。現在はトレンド商品を中心に扱うが、今後は先行販売や限定商品もそろえ、イトーヨーカドーの既存店では取り扱ってこなかった商品はテスト販売として反応や売れ行きを分析しながら、今後のトイロパークの品ぞろえ強化や拡大にもつなげる狙い。トイロブランド全体で使えるパスポートなどの連動施策も検討し、イトーヨーカドーの他店舗への来店動機を創出。同ブランドのオリジナル商品の開発なども視野に入れる。
原宿の店舗(グッディハウス原宿)は30坪ながら、昨年はトイロパークの中で現在最も売り上げの高い「ららぽーと横浜」内の店舗(約100坪)の3倍を売り上げていると言う。山幡さんは「これまでやれなかったことや扱えなかったようなものが原宿をフックにすることで、いろいろな可能性が見えてくるのでは」と期待を込め、「(原宿は)日に5万人の人出があると聞いている。圧倒的に客数の多い原宿を使いトイロパークの認知を高めて、トイロパークに一度も行ったことがない、存在をも知らない新しいお客さんを送り込んでいきたい」と話す。
営業時間は10時30分~20時。