渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)の南に隣接する敷地面積約4000平方メートルにわたる新たな再開発「渋谷二丁目22地区第一種市街地再開発事業」の概要が1月9日、明らかになった。渋谷区が同日開いた都市計画素案意見交換会で公表した。
計画地は、渋谷駅東口エリアの、国道246号線と明治通りの交差点角地。北側に渋谷ヒカリエ、北東側には昨年7月に開業した新施設「渋谷アクシュ」が隣接する。敷地面積は3810平方メートルで、建設する地上24階・地下2階(高さ約160メートル)の施設の延べ床面積は約5万900平方メートル。地下に駐車場、低層階の路面には商業エリアを配し、中層階に映画館、上層階にオフィスが入る。
商業エリアは、施設と渋谷ヒカリエの間にある道路「特別区道第926号路線」に面し、地上1~2階部分に店舗が連なる配置で、渋谷ヒカリエや渋谷アクシュと併せて街の「にぎわい」を演出。地下鉄とも接続する「東口地下歩道」につながる地下通路を地下2階に整備するほか、JR渋谷駅との動線にもなる歩道橋「東口デッキ」とは2階部分でつながるようデッキを改修。渋谷アクシュとも3階の接続デッキでつながり、複数のフロアで行き来できる歩行者ネットワークを新たに整備し、回遊性を高める。
区道沿いの低層階には、商業エリアと並び、開放感のある空間で坂道を生かしたしつらえの広場や歩行空間を整備。新たな文化を生み出す場として公共空間を活用することでストリート文化の振興を図る。中層階に入るのは、シネマコンプレックス型の映画館。現在渋谷ヒカリエが立つ場所にはかつて、「渋谷パンテオン」「渋谷東急」など複数の映画館を擁した「東急文化会館」があった歴史もあり、駅至近に新たな映画館を誘致することで、東口エリアの「新たなにぎわいの核」となるエンターテインメント発信拠点を目指す。
環境面では、熱負荷の低減や効率の高い設備機器の導入、緑化などに取り組むことで省エネルギー化やヒートアイランド現象の抑制などを図る。帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設や防災備蓄倉庫の整備など防災対応にも力を入れる。
今後、2月に都市計画原案の公告・縦覧や意見交換会を経て、都市計画案の作成を進めていく予定。