うどん店「hanon(ハノン)」(渋谷区神泉9、TEL 03-6416-1560)が12月23日、渋谷・神泉にオープンした。経営はudonudon Tokyo(同)。
かねて米ニューヨークに店舗を構えていた同店は、映像制作などを手がけていた内田隆太さんら4人が手がける。内田さんらが「新しいことを始めたい」と考えた中で、当時のニューヨークには生麺を使ううどん店があまりなかったことなどから、うどん店に着目。2019年2月にオープンした。
オープン3カ月でニューヨークタイムス紙のフードレビューで2つ星を、2021年にグルメガイドブック「ミシュランガイド」のニューヨーク版で「価格以上の満足感が得られる料理」に位置付けられるビブグルマンを獲得した。しかし、2022年3月に入居していた建物で起きた火災の影響を受け、ビルへの立ち入りが禁止され休業を余儀なくされた。その後営業を再開することなく、昨年3月に建物の取り壊しが決まり閉店せざるを得なくなり、その後ニューヨークでの再オープンを検討したが、場所探しから始めるためオープンまでに時間がかかることや、円安を含めた費用の高騰から日本への帰国を決めたという。
昨年7月に帰国後、以前原宿に20年程度オフィスを構えていたことや、「世界のカルチャーが集まる」街であること、「発信力がある」等の理由から、渋谷区内を中心に場所を探したという。同所を歩いていた際に、落ち着いたエリアであることに引かれ、働いている人・住んでいる人の双方がいることなどから同所を選んだ。席数はテーブルやカウンター席で26席を用意。コンクリート打ちっぱなしの空間に、床やテーブルに木を採用し、キッチン周辺にカッパーをあしらうことで明るさや温かみのある色味で「ほっこり感じられる」雰囲気に仕上げた。店舗のロゴはアートディレクターの秋山具義さんが手がけている。
日本で再出店するに当たりうどんはアレンジ。圧力鍋で調理することで「もちもちの食感」に仕上げる麺や、昆布やかつお、煮干しなどから取るだしなどが特徴。うどんは、車えびや旬の魚介、野菜の天ぷらが付く「天婦羅(てんぷら)せいろ(冷)/天婦羅(温)」(各2,500円)をはじめ、せいろ(900円)、ごま汁のせいろ(1,000円)、鴨せいろ(2,000円)などの冷たいうどん、かけ(900円)、カレー(1,500円)、国産黒毛和牛をのせる「肉」(2,000円)などの温かいうどんをそれぞれ用意。めんたいこやバター、のりなどをトッピングしだしをかけて混ぜて食べる「釜玉明太バター」(1,300円)など新たなメニューもラインアップ。半熟卵(200円)や舞茸(350円)、桜エビのかき揚げ(1,000円)などのトッピングも用意する。
ディナーには、そば前のように「食事自体を楽しむ世界観をつくりたい」と、山芋のゆずこしょう漬け(600円)や鴨の生ハムとクレソンのポテトサラダ(1,000円)、季節の野菜を使う天ぷら(1,200円)、燻(いぶ)し漬けまぐろのストラッチャテッラ(1,300円)、黒毛和牛ステーキ(4,000円)などのアラカルトも用意する。
ドリンクは、国産のナチュラルワイン(グラス=白・オレンジ・赤各1,100円、ボトル=スパークリング7,700円~、白7,200円~、オレンジ6,600円、ロゼ1万円、赤6,600円~)を中心に、ビール(800円)、日本酒(グラス1,000円~、ボトル4,800円~)、ジン(1,000円)などを用意する。想定客単価は、ランチ=1,300円前後、ディナー=5,000円前後。
内田さんは「圧力鍋でゆでる麺はそんなにないと思うので、違いを楽しんでいただけたら。うどんだけ食べるだけでなく、料理とお酒と空間で仲間の方の楽しんでもらいえる場所を作れたら」と話す。ニューヨークの店舗は近隣の人だけでなく、アメリカ国内各地やヨーロッパなど遠方から同店を目指してくる人がいたことから「ここを目的にいらしてもらえる店になれば」とも。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時30分~23時。