東急グルメフロント(目黒区)が経営する駅そばチェーン「しぶそば」のファンミーティング「しぶそばナイト」が12月12日、東京カルチャーカルチャー(渋谷区渋谷1)で開催された。今年で3回目。
同社は現在、東京都内と神奈川県内で「しぶそば」15店舗を展開。1980年代から井の頭線改札外で営業していた駅そば「二葉」を前身とし、渋谷駅構内で40年にわたり営業してきた「本家しぶそば」が2020年9月、渋谷駅周辺の再開発に伴い閉店した。しぶそばの公式キャラクター「くまくん」がつぶやくツイッターのフォロワーは約1万7000人。
当日は会場の一角に年越しそばと天ぷらを提供するコーナーを設け、そばは東急グループ創業者・五島慶太の出生地でもある長野県青木村産のそばの品種「タチアカネ」を使う。「青木村産柳松茸(まつたけ)」「茄子(なす)」「ギョニソ(魚肉ソーセージ)」「かき揚げ」などの天ぷらのほか、「のるるんかまぼこ」「煮卵おにぎり」も用意。今年はカレーとカツもそろえた。参加者は、好みの具材をのせたそばを食べながら「しぶしば」談義に花を咲かせた。
今年は初のコンテンツとして「10Qクイズ大会」を開催。東急電鉄の川島健一統括駅長ら4人の駅長から成る駅長チーム、しぶそばの店長から成るしぶそばチーム、QRコードを使って参加する来場者チームが、しぶそば・東急電鉄に関するクイズに挑んだ。
会場内で事前に受け付けた質問に答える「しぶそば質問コーナー・もしもしくまくん」では、「そば粉の割合は?」「世田谷線沿線に出店する予定は?」「来年挑戦予定のかき揚げは?」「駅長のお薦めメニューは?」など参加者から寄せられた質問に各担当者が次々とアドリブで答え、盛り上がりを見せた。
文春オンラインで連載も持つ大衆そば・立ち食いそば研究家、坂崎仁紀(よしのり)さんは「今回は電鉄系であることの強みを昨年以上に打ち出し、もっと電鉄に中でのアットホームなイメージを作り上げてる。(このイベントは)とてもユニークな存在」と話す。
招待を受けて初めて会場を訪れた富士そばの丹有樹社長は「皆さんの熱量の高さを感じた。電鉄系のそば屋さんはわれわれ(街なかのそば店)とは違い、『俺はこれ食べて育ったんだ』という熱量が非常に高い。電鉄系そばチェーンの中でもファンミーティングを開いているのは渋そばだけ。やはり、開く価値があるのだと思う。ただ、富士そばではここまでのファンミーティング開く力がないかな…。X上ではいろいろ交流もさせていただき。来年はコラボもできれば」と話す。
最後のあいさつで、山口聡一郎社長は「渋谷での『本家』再出店に向けて、関係方面と調整を図っているところ」と明かし、再出店に前向きな姿勢を見せた。併せて、富士そばとのコラボが検討中であることも明かした。