江戸時代の「通過儀礼としての」化粧に焦点を当てた「初化粧」展が12月19日、外苑前・青山通り沿いに位置するポーラ文化研究所の「化粧文化ギャラリー」(港区南青山2)で始まる。
ポーラ・オルビスホールディングス(中央区)で化粧文化に関する研究活動を行う同研究所。今年5月、3月に完工した同社の複合型オフィスビル「ポーラ青山ビルディング」の1階に同ギャラリー(約14平方メートル)を開設。5月からオープニング企画として「はじまりの美学」をキーワードに展示企画を展開してきた。
同展は最後の3期目の展覧会となる。江戸時代の化粧には、身分や階級、年齢、職業によって決まり事があり、成人・結婚・出産などに合わせて「初めて行う化粧」があったという。その中で、結婚や子どもができた際に眉をそり落として描かないまま過ごす「剃り眉」と、江戸時代~明治時代の代表的な既婚女性の髪型「まるはげ」という、特に既婚女性の習慣に焦点を当てる。
室内では、未婚・既婚女性の装いを描いた五渡亭国貞や三代歌川豊国の浮世絵など6点(~2月7日の前期、2月13日~の後期で3点ずつ)や、江戸時代後期の眉作り道具、当時の髪型を約2分の1サイズで再現した「結髪雛形(けっぱつひながた)」を展示。併せて、川柳や絵画資料などを挙げながら、髪型を変え、眉毛をそり落とすことに対する当時の女性の「期待や不安、ためらいなど揺れ動く気持ち」を多角的に読み解くという。
本のコーナーでは、「転換点」から連想を広げた「Border」「変態」「ためらい」など6つのテーマを軸に選んだ書籍を紹介する。
開室は木曜・金曜。開室時間は11時~17時。入場無料(木曜は予約制)。3月28日まで(今月20日、1月2日・3日、3月20日は休み)。