「無印良品」のデザインラボラトリー「MUJI Labo」の旗艦店「無印良品 代官山」が10月11日、代官山の複合ビル「代官山プラザ」(渋谷区猿楽町)1階にオープンする。経営は良品計画(文京区)。
MUJI Laboは、無印良品の「ベーシックな衣服作りを追求する実験室」として2005(平成17)年から、日本をはじめ海外の大型店を中心に展開。2024年秋冬シーズンにリニューアルしたことに合わせて、世界観を表現した店舗として代官山に旗艦店を出店する。
ファッション的な観点ではなく、「本質的な物の価値が分かる人」「ライフスタイルにこだわりがある人」が住んでいる・来街する街と考え代官山を出店地に選んだ。店舗面積は約118坪で、うち衣料品エリアは約72坪。11月15日にオープンする生活雑貨エリアは約46坪となる。
「円でつながる」をコンセプトにする店内デザインは、天井の装飾や商品を陳列する什器、鏡などに円形を採用している。生産者、商品、客の「距離を縮めたい」と、店内のBGMは水が滴る音や機織り機の音など生産者が耳にしている音を基本的なリズムにし、クラシックを現代風にアレンジした音楽を流している。
MUJI Laboは、無印良品が大事にしてきたという「素材の力」「クラフトマンシップ」という原点に立ち返って商品を開発。「キーファブリック」となるのは、回収した商品や生産工程で出た端切れ生地を粉砕、再度紡績した糸を混ぜて織り上げる「再生カシミヤ」、モンゴル高原のカシミヤを無染色・無漂白で仕上げる「自然のまんまの色カシミヤ」。商品は、再生カシミヤ=紳士のジャケット(2万4,900円)、チェスターコート(2万9,900円)、タックパンツ(1万2,900円)ほか。自然のまんの色カシミヤ=紳士のタートルネックセーター(2万4,900円)、Vネックカーディガン(1万9,900円)ほか。
そのほか、日本ですいた和紙などを使う婦人のラップスカート、パンツ、紳士の5ポケットパンツ(各9,990円)、回収したウール商品や生地を粉砕し再度紡績した糸で織り上げる「再生ウール」の婦人ロングコート(1万7,900円)、シルクとオーガニックコットンで作るハンドタオル(1,290円)、リネン100%のカバーのクッション(4,990円)などもラインアップする。いずれも、装飾を排除した「シンプルなデザイン・スタイル」に仕上げている。ターゲットは定めていないが、「自身のライフスタイルがある」30~50代の利用を見込む。
同店では、素材やスタイリングなどを勉強した、社内公募で集まったスタッフが従事。衣服・雑貨部などを管掌する執行役員の山本直樹さんは「未来の無印の挑戦を、人や商品、空間で立体的に体感できる店」と同店を紹介し、「良い素材から良いデザインで、お客さまの個性が輝くことをサポートする洋服になっている。自分にしっくりくることが大事だと思うので、試着してスタッフと話して体感してほしい」と話す。
営業時間は11時~19時。生活雑貨エリアでは、既存の無印良品で展開するスキンケアやヘルス・ビューティーアイテムなどを扱う予定。