アルバルク東京(以下、A東京)が10月5日、国立代々木競技場第一体育館(渋谷区神南2)でBリーグ2024-25シーズンの開幕戦を迎えた。
9季目を迎えたBリーグ。デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)は昨季から11選手が残留した点について「選手たちとの信頼関係や自信につながる。昨シーズンは悔しい負けだったが、結果を残したシーズンだと思う。経験が生きてくると思うし、細かい部分を追求してもっと良いチームになりたい」と意気込む。
今季B1に昇格した越谷アルファーズ(以下、越谷)を迎えたこの日は、会場に9443人が来場。大倉颯太選手は「9000人入った会場でプレーできることがうれしい」と喜んだ。立ち上がりはロースコアとなるが、ライアン・ロシター選手の得点で先制。アシストしたレオナルド・メインデル選手をはじめ、ガード陣らが積極的にインサイドへアタックし、アルトゥーラス・グダイティス選手らがリバウンドでファウルを誘発したほか、連携プレーで得点を重ねる。
16-15で迎えた第2Qは、小酒部泰輝選手が越谷の速攻を止めるなど好守を見せると、グダイティス選手や安藤周人選手も越谷のシュートをブロックし続く。攻撃ではザック・バランスキー選手の3ポイント(P)シュート、サイズ選手のオフェンスリバウンド、ロシター選手のアタックなどで得点を重ね、31-22と点差を広げた。
新加入の大倉選手も第1Qから出場。「緊張は無かった」が、昨季A東京に在籍していた越谷・橋本竜馬選手が「やりたいことをさせないように(守備を)してきたので、そこを壊してから僕らのペースにしようと思ったが、コーチが求めていることが違くて、ちょっと流れを渡してしまった」と、自身のプレーについて反省の言葉を口にした。
点の取り合いとなった後半立ち上がりは、ダンクで場内を沸かしたサイズ選手の長身を生かしたインサイドの攻撃を強調するなどして、52-40で最終Qに突入。前半から好調の小酒部選手は2本の3Pを沈めたほか、ルーズボールを追いかけるなどハッスルプレーを見せる。終盤には「後半はまずコーチの求めていることを遂行しようと入ったら流れが良くなり、僕のリズムも戻った」と言う大倉選手にも得点が生まれ、75-57で勝利した。
アドマイティスHCは大倉選手について「コンディション良く開幕を迎えられていると思う。出場時間をコントロールしながら、良さを生かしてほしい」と期待を込める。大倉選手は、昨季のけがの影響から「弱い所をアプローチしている。全く問題ないが、シーズン後半に向けてドクターから(出場時間を)ちょっとコントロールしてほしいと言われている」と現在の状況を明かした。
今季A東京に復帰した菊地祥平選手も最終Qに出場機会を得た。昨季まで在籍していた越谷との対戦は「楽しみだった」と振り返る。複数年契約していたが、単身赴任していた中で「残り長くないキャリアを、家族の近くでプレーしたい」とA東京への移籍を決めたと言い、「(今後)移籍とか考えていない。いつ必要ないと言われてもおかしくない立場なので、シーズンというより毎試合に懸けている。戻ってこられたからには、ぎりぎりという覚悟でやっている」と力を込める。
3季ぶりのA東京は、「チームは同じだが、(以前と)選手は半分くらい、スタッフは全員代わっているのでスタイルは別チームだと思って入ってきている。もっとアジャストして信頼を得なくてはいけない」と話す。守備が持ち味だが「(A東京は)ディフェンスがうまい選手は多いが、ずるがしこさなどレベルが上がる要因はまだある。ディフェンスマインドにできることをしていきたい」と自身の役割を考える。
両チームは6日も戦う。