京都発の人気立ち食いそば店「SUBA(すば)」が9月10日、渋谷に東京初となる新店「SUBA VS(ブイエス)」(渋谷区渋谷1)をオープンする。
客自ら炭火で鶏を焼くスタイルの「焼く鳥」店など、さまざまな業態で京都に店を出してきた鈴木弘二さんが2021年の大みそかに清水五条エリアにオープンした「すば」。「関西ではほとんど見かけず、東京に出張に行っていた際にいいなと思っていた」と言う立ち食いそば店を、自ら京都に開店した。
全国のそば粉を時期によって使い分けて作るオリジナルのそばに、利尻昆布や本がつお、ウルメイワシなどで引いた「関西風だし」を合わせるそばを提供。スダチそばに生のイチジクを加えるなどの独創性やアート性の高い店舗デザインも話題となり、行列ができる人気店になった。今回、都内では神宮外苑などに店を構え、京都で鈴木さんとワイン&コーヒースタンド「SUMI」を共同出店する「VIRTUS(ウィルトス)」とタッグを組み、角打ちもできるワインショップを併設する形で、東京進出を果たした。
場所は、明治通りから一本入った所にあるビルの1階・2階。2フロア計約30坪で、内装は京都店のデザインも手がける建築デザイナー関祐介さん(YUSUKE SEKI STUDIO)が担当した。複合店としての店名は「VS」で、1階は立ち食いそば「SUBA VS」、2階はワインショップ「VIRTUS VS」として営業する。
京都では、天板がたわみ器を置くと傾く箱形のカウンターが「名物」にもなっていることから、渋谷店ではあえて床面を傾かせた。カウンターは2卓が並ぶ。コンクリートを固める過程でひっくり返すことで、密度の差がサイド面に自然なグラデーションを生む一点物のインテリア。固める際に使った木材は、客席と厨房(ちゅうぼう)を隔てる壁として再利用し、ビルの躯体(くたい)をむき出しで使うなど、京都店同様、ユニークな内装が目を引く。収容客数は16人。
温かいそばは、名物の一つ「肉そば温泉卵」(1,500円)や、島根県宍道湖のシジミを使い、かんきつが香るオリーブオイルを利かせた「島根県宍道湖のしじみとマンダリンオイル」(1,100円)、鶏天そばに、唐辛子などのスパイスを混ぜて作る「毛沢東スパイス」をかける渋谷店限定の「とり天毛沢東スパイス」(1,200円)など。冷やしは、人気メニューの「すだちいちじく」(1,300円)や、だしにオリーブオイルやディル、カッテージチーズなどを添える「完熟トマトそば」(1,300円、夏季限定)などを用意する。
ドリンクは、瓶ビールやレモンサワー(以上600円)、グラスワイン(800円~)などに加え、ワインを温かいだしで割り七味を利かせて飲む「だし割り」(500円)も提供する。想定客単価は2,000円。
2階のワインショップには、1000種類以上のナチュラルワインや日本ワインを取りそろえ、6席を用意するほか、角打ちにも対応。ワインディスペンサーには常時48種類以上が並び、50ミリリットル=550円で試飲できるようにするほか、数十ミリリットル単位の量り売りにも応じる。
営業時間は12時~23時。