渋谷区と全日本空輸(ANA)が7月29日、移動サービス「Universal MaaS」の共同実証実験を始めた。
同サービスは、ANAグループ社員の自発的提案活動「ANAバーチャルハリウッド」から生まれたコンセプト。障害や高齢など何らかの理由で移動を躊躇している人たち(移動躊躇層)に向けて、出発地から目的地までの各事業者間が連携することで、自らの力で移動できる社会を産学官連携でつくることを目指している。
Universal MaaSを都内自治体で共同実証実験をするのは渋谷区が初めてとなる。バリアフリーマップの導入を検討している渋谷区は、徒歩移動に不安や困りごとを抱えている区民や来街者などに利用してもらいフィードバックを得たい考え。
実証実験では、渋谷区を目的に訪れる人向けに目的地の最短経路と合わせて移動参考情報が確認できる「ユニバーサル地図/ナビ」を導入。地図上には渋谷区内のトイレ、エレベーターなどのバリア情報、バリアフリー対応の店の情報などを表示。自身の現在地から目的地までの徒歩経路を検索することができ、最短経路が提案されるほか、車いすユーザーが実際に通った道も表示されることから、経路を決める際の参考にすることができる。スマートフォンやパソコンで渋谷区の公式ウェブサイトにアクセスして利用できる。対応言語は日本語と英語。
区やユーザーが投稿する情報に加え、東京都が公開しているトイレや授乳施設などのオープンデータを活用することで、あらゆる人が使いやすいマップを目指すと同時に、整備や更新作業の負担軽減による持続可能性の確保を図る。
利用無料(通信費は利用者負担)。実施期間は2025年3月31日まで。