JR渋谷駅の改札で最も遠い位置にあった「新南改札」が北側(原宿方面)に約250メートル移転し、7月21日の初電に供用を始める。JR東日本が同18日、内部を公開した。
新たな新南改札は、駅東側の複合施設「渋谷ストリーム」3階と、昨年11月に桜丘エリアに完工した西側の複合施設「渋谷サクラステージ」をつなぐ「渋谷駅南口北側自由通路」に面した場所に位置する。既存の新南改札は山手線ホームと距離があったが、移転後は山手線・埼京線の両ホームと直接つながる。21日時点で開通する昇降設備は、埼京線=階段とエスカレーター(2機)、エレベーター(1機)、山手線=エスカレーター(2機)のみ。山手線のエレベーター(1機)、階段は追って供用が始まる。
改札は、自動7通路と有人1通路。改札内には精算機2機を用意。券売機は、多機能券売機3機と指定席券売機1機を設ける。トイレは、男性用・女性用とバリアフリートイレを整備した。グレーを基調にしたコンコースは、利用客が直感的に移動できるようにサインや色使いなどを「すっきりとシンプルにデザイン」したという。
同改札を含む新駅舎は鉄骨造・6階建てで、延べ床面積は約5300平方メートル。改札がある3階には、店舗(改札内2店舗、改札外2店舗)も出店するほか、4~6階は賃貸オフィス(計約3000平方メートル)となる。1階・2階はホーム・荷さばきスペースで、2026年度内の全面開業を目指す。
同改札は、2012(平成24)年に渋谷区が公表した基盤整備方針に基づき、国道246号線の南側のまちづくりの一環として、改札や通路を再整備する一環として計画。再開発組合、東急、渋谷区と協力しながら工事を進めてきた。2001(平成13)年に開業した既存の新南口は、並木橋寄り(恵比寿方面)の離れた場所にあり、かつては中央改札と埼京線ホームをつなぐ連絡通路(2018年11月に閉鎖)もあった。旧改札は21日0時30分(20日終電後)に閉鎖する。
併せて、今月25日には渋谷サクラステージの商業エリア内の37テナントが新たにオープン。改札の移転開業も合わせて「まちびらき」と位置付け、これまで東西で分断されていた動線がスムーズになることで、まちの回遊性やにぎわい向上につなげる。