写真家のハービー・山口さんが日本写真芸術専門学校(渋谷区桜丘町)の校長に就任したことを記念した写真展が6月25日から、渋谷駅前の複合施設「渋谷ヒカリエ」(渋谷2)8階のギャラリースペース「8/CUBE 1,2,3」で開催される。
1950(昭和25)年東京都出身の山口さんは、中学生で写真部に在籍。大学卒業後23歳で渡英し10年以上ロンドンに在住。一時劇団に所属し役者をとして活動し、折からのパンクロックのムーブメントの中撮影したミュージシャンのポートレートが高く評価された。幼少期に病気を患った経験から、写真は「生きる希望」という一貫したテーマを掲げ、人物をモノクロームのスナップとポートレートという手法で撮り続けている。
「HOPE 2024 ~希望を撮り続けた50年~」と題する展覧会では、活動初期の写真集「1970年、二十歳の憧憬」から、ロンドン在住時代、2000年代以降、故・坂本龍一さんとの写真を含む最新作まで、「全キャリアを網羅した」作品を3つのスペースで紹介。
日本写真芸術専門学校8階の「Wall Gallery」でも記念展を同時開催。1996(平成8)年に解体された同潤会代官山アパート(現・代官山アドレス)で撮影された「代官山17番地」の再構成作品を展示する。今月28日には同校で山口さんのスライド&トークショーも予定している。
山口さんは「20歳の頃から最近の作品までを展示しました。『人間の生きる希望を撮りたい』という想いが全ての写真に通底しています。私にはカリエスという病を生後間もなくから十数年患った経験があり、その病気から立ち直った10代の終わりのある日、『生きる希望を撮りたい』と強く思ったことが始まりでした。『相手の明日の幸せを祈ってシャッターを切る』。それがカメラを構える時の心境です」(原文ママ)とコメントを寄せている。
開催時間は、渋谷ヒカリエ=11時~20時(最終日は17時まで)、日本写真芸術専門学校=9時30分~20時30分(土曜・日曜は17時まで)。入場無料。7月2日まで(同校は同7日まで)。