豪シドニー発の丼と茶の専門店「Juan Bowl & Tea Tokyo」(港区北青山3、TEL 070-9077-3283)が6月30日、表参道駅近くにオープンする。
オーナーシェフを務めるのは石黒安奈さん。石黒さんは歌や芝居、ラジオDJなどエンタメ業界やウェブデザイナーなどで活動した後、幼少期から料理が好きだったことから飲食業に挑戦するためホテルで3年半経験を積み、留学経験のあったオーストラリアへ渡った。現地の飲食店で働いた後、2017年にシドニーに「Juan Bowl & Tea」をオープンした。
すし店で働いていた経験から、当初はすし店の開業を目指していたが、現地で職人を見つけることが難しく断念。ちらしずし含めバリエーション豊かなメニューを提供できると考え丼専門店を計画。丼は日豪共に「安い」イメージがある中、女性や若年層も来店しやすい「表参道にあるようなおしゃれなもの」を意識し開発した。シドニー本店は地元のアジア人の来店が多く7~8割が女性客だという。
日本では2018(平成30)年から長野・白馬に冬季限定で「Juan Wagyu Steak House」を出店していたがコロナ禍で閉店。今後シンガポールやベトナムなどアジア圏への進出を目指す中、コロナ禍が落ち着いたことなどからブランディングの意味も含めて日本への出店を決めた。表参道を意識してブランドを開発したことから、同エリアで半年ほどかけて物件を探した。近隣住民や国内の旅行客、インバウンド客などの利用を想定する。
場所は青山通りから1本入った路面。店舗面積は約55平方メートル。席数は20席。店舗はグレートーンを基調に「シック」な雰囲気に仕上げつつ、木目調のカウンターやテーブルを採用することで「温かみ」を演出する。カウンター内部には、盆栽プロデューサー小島鉄平さんの盆栽を飾る。
御膳で提供する丼の種類や味付けはシドニー本店と同じだが、食材は国内で仕入れる。オープン時の丼は4種類で、「美桜鶏の極み海南鶏飯御膳」(2,880円)は、レモングラス・ショウガ・ごま油を加えたしょうゆで味付けたご飯の上に塩こうじ・しょうが・ねぎを入れて低温調理した美桜鶏をのせ、トマトのマリネやキュウリ、ラッキョウのピクルスなどをトッピング。「至高の鰻(ウナギ)ひつまぶし御膳」(3,380円)は、甘だれをつけて炙(あぶ)ったうなぎを半熟オムレツで包みゴーダチーズなどをトッピング。ほうじ茶だし、あられ、みそなども添え茶漬けにしても食べられる。それぞれ小鉢・漬物・みそ汁が付く。
同店では、「料理に合わせても楽しめることを知ってほしい」と、茶とのペアリングを提案している。日本では、茶葉の企画開発・製造販売などを手がけるThe Tea Company(新宿区)協力の下、茶をセレクト。至高の鰻ひつまぶし御膳=中国の「西湖龍井茶(シーフーロンジンチャ)」(追加900円)、美桜鶏の極み海南鶏飯御膳=「金萱烏龍茶(キンセンウーロンチャ)」(同800円)など丼に合わせて選んだ。升に詰める「抹茶ティラミス」(900円)などのデザート、玄米茶やほうじ茶など茶単品(800円~1,800円)も用意する。客単価は3,000円~4,000円を見込む。
営業時間は11時30分~21時。今月15日からプレオープンする。