アルバルク東京(以下、A東京)の安藤周人選手らが6月6日、長谷部健渋谷区長らを表敬訪問し、Bリーグ2023-24シーズン終了を報告した。
デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ体制2季目となった今季は48勝12敗とクラブ最高勝率でレギュラーシーズンを終了。地区2位でチャンピオンシップ(CS)に出場したが、べスト8(準々決勝敗退)でシーズンを終えたA東京。
安藤周人選手は「48勝という結果は満足行くものだったが、目標はそこじゃなかった。シーズン中の悪かったところが最後のCSで出てしまった」と悔しさを表現。クラブを運営するトヨタアルバルク東京の林邦彦社長は「終わりが悲劇的だったが、見に来てくださった方たちには『良い試合だった』と言っていただいたので、来シーズンにつながる試合だったと思う」と振り返った。今季2試合を観戦した長谷部区長は「楽しませていただいた」とねぎらった。
今季は新たに5選手を迎えたが、伊藤大司ゼネラルマネジャーは「コーチ・選手が本当にまとまって、すごく良いアジャストをしてくれたのですごく良いシーズンだった。だからこそ優勝できなったのは本当に悔しい思いでいっぱいだが、良いところが見えたシーズンではある。来季に向けてそこをしっかり伸ばして、足りなかったところを補って、来シーズンこそは優勝したい」と話した。
国立代々木競技場第一体育館をメインとしたホームゲームは、30試合中26試合が前売りの段階で完売。Bリーグの最高入場者数を4度塗り替え、レギュラーシーズン最終戦には最多となる1万513人を記録。総入場者数は18万345人(CS含めると20万1261人)とリーグ2位という結果を残した。安藤選手は「裏方スタッフの頑張りに感謝しないといけない。その頑張りがあったからこそファンの方々に本当に楽しんでもらえるような試合ができたと思う。来シーズンもチャンスがあるので、記録を塗り替えられるように頑張りたい」と触れた。昨夏のワールドカップの影響もありBリーグ全体で観客動員が増え、「熱量というか、知らない人も見に来る機会が増え、代表戦のおかげというのを肌で感じることが多かった」とも。
A東京3季目となった安藤選手。「(個人としては)一番納得のいかないシーズンだった」と言い、「フィードゴール(フリースロー以外のシュート)の成功確率がガクっと下がっていて、どうしても数字にこだわってしまう部分があり、数字として結果を残せていないことがずっと引っかかっていた」とその理由を明かす。A東京はタレントぞろいでインサイドの外国籍選手も強みとしていたために、「迷いがあったと思う。去年あれだけ自分がやっていたのに(その役割を)取られて、どこかでやっぱり悔しい気持ちが強すぎて柔軟に対応できなかったのが結果としても出ているのかな」と分析した。
今季、マスコットのルークがバスケットボール界のマスコット1位を決める「Bリーグ マスコットオブザイヤー」で初優勝を果たしたことについては、親会社のトヨタ自動車・豊田章男会長からも「自分のことのようにうれしい」(林社長)と連絡があったと言う。安藤選手は「今年は遠征先にも来るなどすごい頑張っていたので、やっと報われた」とたたえた。
渋谷区での取り組みとしては、区在住・在勤・在学者などを対象にホームゲームに招待・優待、区の活動に関連するブースに出展した「渋谷区DAY」を実施したほか、渋谷区内のイベントにチアリーダーやルークが参加するなど、30以上の活動を行っている。「ふるさと渋谷ふるさとフェスティバル」などにも初参加した。林社長は「どういう風に地域とやっていくのか、貢献していくことにつながるのかという気づきにもつながった」と触れた。
来季はサンロッカーズ渋谷と同じ中地区に属し、4回対戦する予定。今季は立川の施設で試合をしたが「渋谷ダービーを立川でやるのはないでしょう、と僕も話していた」(林社長)ことから、来季は区内での試合を目指す。長谷部区長は「間違いなく盛り上がるので、街でも盛り上げたい」と期待を込めた。
青山学院大学出身の安藤選手が渋谷駅から大学に向かうために歩いた宮益坂に「苦労した」と当時の思い出を話すと、長谷部区長は同エリアでの動線も変わる再開発が進んでいることを動画を交えて紹介。映像を見た安藤選手は「すごいですね。僕の4年間を返してほしい」と笑った。
渋谷区への初の表敬訪問について、「大学の4年間お世話になった区でもあるので、区長にあいさつできたのはうれしい」と振り返った安藤選手。数週間休み、来季に向けて「動き出したばかり」と言い、「アルバルクに来てからなかなか納得のいくシュート確率ではない部分がずっと引っかかっているので、悪かったところを修正して、良かった部分を伸ばせるように練習したい」と話した。