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渋谷でマイノリティーパフォーマーらのショー 映画上映も

会見に登壇した東ちづるさん(左から2番目)ら

会見に登壇した東ちづるさん(左から2番目)ら

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 映画上映と舞台のステージショー「まぜこぜ一座 月夜のからくりハウス」が6月16日、渋谷のホール「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂、渋谷区宇田川町)で上演されるに当たり、同3日、主催する一般社団法人「Get in touch」の代表で俳優の東ちづるさんらが会見を開いた。

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 2011(平成23)年に活動を始め翌2012(平成24)年に法人化した同法人は、エンターテインメントを通して「誰も排除しない『まぜこぜの社会』」の実現を目指し活動。「まぜこぜ一座」は、2017(平成29)年に多様なマイノリティーパフォーマーと共に旗揚げ。以降、コロナ禍で中止となった2020年を除き、毎年公演。2021年には多様性を重要視する渋谷区が主催し渋谷区文化総合センター大和田の10周年記念イベントとして上演。昨年から同法人と渋谷区が共催している。

 今回は2000人規模の同ホールを会場にすることに加え、映画とのコラボレーション、バリアフリー化に取り組むなど複数のチャレンジを行う。昨年から製作している映画は、アーツカウンシル東京の助成を得て製作している「社会派コメディーサスペンス映画」で、昨年の舞台「歌雪姫と七人のこびとーず」の終演後に密室殺人が起こり、出演者らが容疑者となる物語。10月に劇場公開を控えている中、先駆けて同公演で披露する。エンディング曲は声優の三ツ矢雄二さんら声優陣11人が歌っているという。

 歌とダンスを繰り広げるショーには、車いすのダンサーかんばらけんたさん、ドラァグクイーンユニット「八方不美人」、全盲のシンガー・ソングライター佐藤ひらりさん、世界一の経験を持つポールダンサーの小源寺涼太さん、ベリーダンサーのSAYURIさんらが出演。歌手の米良良一さんは代表曲の「もののけ姫」など2曲を披露する予定。ラッパーと三味線などさまざまなコラボレーションを繰り広げるなど「これまで見たことのないショー」(東さん)になるという。東さん、三ツ矢さん、身長114センチの俳優・手品師のマメ山田さんがMCを務める。映画のシナリオと舞台台本は八方不美人のメンバーでもあるエスムラルダさんが担当している。

 今回はバリアフリー化にも注力。映画は日本語字幕を付けるほか、スマートフォンアプリ「HELLO!MOVIE」で音声ガイドを聞けるようにする。ショーでは当日会場で貸し出す赤外線補聴システムを活用した音声ガイドに加え、パソコンでの文字通訳や手話通訳を用意し、手話通訳の前に聴覚障がい者優先席を用意。デジタルパンフレットも用意し音声読み上げ機能で読めるようにする。オーケストラピットは外し、ストレッチャーや車いすで鑑賞できるスペースを設けるなど、障がいの有無だけでなく、高齢者など「みんなで楽しめる」公演を目指す。

 東さんは「私たちの目標はこの一座、Get in touchの解散。まぜこぜの社会、ダイバーシティ、インクルーシブネス、ノーマライゼーションが実現すれば私たちは用なしということになる。社会は確実にアップデートしているが、考える人たちが増えたことで分断している部分もあると感じている」と話し、「続けるしかない」と公演を続けている意義を語る。「まずは面白かったと言ってほしい」としながらも「終わったらモヤモヤするような演出を目指している。帰って友達や家族に、『いろいろな発見があったんだよ』『近所に自閉症の人いないな』『うちの職場に車いすの人いないな』など、たくさん気づいて皆で考えられるようになったら」と期待を込める。

 長谷部健渋谷区長は「多様性、インクルージョンなどに対して多くの皆さんが気づきを得て、考え深める機会になると思う。楽しみながら多様性について考えていただければ」などとメッセージを寄せた。

 17時開演、20時10分終演予定(映画90分、休憩15分、舞台70分程度)。鑑賞料は1階席6,000円、2階席5,000円(障がい者と同伴介助者1人までなどは半額)。渋谷区在住・在勤者には身分証明書提示で手拭いを進呈する。

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