学ぶ・知る

南青山でバルト三国共同写真展 「ヒューマニズム写真家」の作品200点超

アイヴァース・リアピンシュさんのシリーズ「バルトの道」より(1989年)

アイヴァース・リアピンシュさんのシリーズ「バルトの道」より(1989年)

  • 8

  •  

 バルト三国の写真家による写真展「Human Baltic われら バルトに生きて」が5月27日から、表参道の複合文化施設「スパイラル」(港区南青山5)1階のスパイラルガーデンで開催される。主催はNGO団体KOI NIPPON。

カリュ・スールさんの「祖父と共に」

[広告]

 リトアニア・ラトビア・エストニアのバルト諸国共同アートプロジェクトとなる同展。第二次世界大戦の影響から、人間性の重要さを強調し平和を促進することを目的に生まれた「ヒューマニズム写真運動」で活動した「ヒューマニスト写真家」の作品を紹介する。

 ヒューマニスト写真家は、視覚的な比喩や隠したメッセージ、検問を逃れるためのコミュニケーション言語「イソップ言語」などを用いながら国家検問などを乗り越えようとしたという。同展では、「日常の大切さ」「表現の自由」「芸術の社会的役割」に焦点を当て、1960年代~1990年代に活動したヒューマニスト写真家18人の作品200点以上を展示する。

 参加アーティストは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)などに作品が収蔵されているアルゲルダス・シャシュコスさん(リトアニア)、ソ連の占領に対する抗議となる写真を撮影し逮捕されるなどしながらも教会の祭りに参加し撮影を続けているロームアルダス・ポルジェルスキスさん(リトアニア)、ソ連支配下のラトビアの日常生活を撮影するアンドレス・グランツさん(ラトビア)、ラトビアで最優秀報道写真家に選ばれるなどしているアイヴァース・リアピンシュさん(ラトビア)、ソビエトの新聞に初めてヌード写真を掲載した写真家だという故カリュ・スールさん(エストニア)、都市の一般市民の日常写真をとらえた作品で知られるペーター・ランゴヴィッツさん(エストニア)など。

 今月30日と6月4日にはバルト三国と日本の写真家をゲストに招くパネルディスカッション「写真に潜むダブルスピーク(二重表現)」を開催。1989年に約200万人が手をつなぎ3国を横断する690キロにわたって「人間の鎖」を形成したデモ活動「バルトの道」をARで体験できるアプリ「バルトの道」もダウンロードできる。

 開催時間は11時~20時(初日は27時~)。入場無料。6月9日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース