渋谷・キャットストリート沿いの学校「渋谷教育学園渋谷中学高等学校」(渋谷区渋谷1)敷地内の現代アート美術館「UEASHIMA MUSEUM」が6月1日から一般公開される。
実業家・投資家で渋谷教育学園幕張高校を卒業した植島幹九郎さんが、「同時代性」をテーマに収集する現代美術コレクション「UESHIMA COLLECTION」を一般公開する同館。1988(昭和63)年に園内に設立されたインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン・東京」が昨年8月まで利用していた建物を「渋谷教育学園 植島タワー」としてリノベーションした。
オープニング展(12月末まで)は、各階で「異なる視」点の展示を行うことでコレクションの「多様性」を紹介する。地下1階は「絵画における抽象と表現への探求心」をテーマに、独自のペインティング手法を生み出している仏画家ベルナール・フリズさん、スペインの美術大学を卒業後スイスでの活動を経て現在ドイツを拠点にするイケムラレイコさん、現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒターさんらの作品を展示。
1階・2階は「同時代の表現、個の表現世界」がテーマ。1階は、名和晃平さんのオブジェクトを透明の球体(レンズ)で覆う彫刻シリーズ「PixCell」シリーズの「PixCell-Deer #40」をはじめ、米NY在住のタジマミカさん、造形作家の岡崎乾二郎さんらの作品をアーティストごとに展示。両フロアをつなぐ階段には杉本博司さんの作品を掲出し、2階には、英現代美術家ライアン・ガンダーさん、デンマークのオラファー・エリアソンさん、彫刻や陶芸作品を中心にメディアやジャンルを横断した作品を手がける米シアスター・ゲイツさん、大規模なインスタレーションを中心に立体や写真などの作品を手がける独ベルリン在住の塩田千春さん、チームラボのNFT作品、村上隆さんと故ヴァージル・アブローさんがコラボレーションした作品など30点が並ぶ。
中央の部屋では独写真家アンドレアス・グルスキーさんとトーマス・ルフさんの作品を対比的に並べている。3階では、今津景さんや近藤亜紀さんら世代の近い日本人女性作家4人の絵画を紹介する。
4階・5階は土曜のみの公開。4階は白色の結晶で常温で昇華する「ナフタリン(ナフタレン)」で作られる宮永愛子さんの「くぼみに眠るそら-寝虎-」(2022年)、数字がカウントを変えながら明滅を繰り返すLEDカウンターによる宮島達男さんの「Counter Fragile No.4」など、変化や揺らぎ、時の重なりの中で「消えゆくもの美しさ」に焦点を当てる。5階は油画を中心とした抽象表現を行う画家・松本陽子さんの大型作品5点を展示する。
開館時間は11時~17時。入館料は、一般=1,500円、中高生=1,000円、小学生以下無料。事前予約制。月曜・日曜・祝日休館。