渋谷区民のシニア世代がZ世代と交流しながらサンロッカーズ渋谷を通じた「推し活」を体験する講座が3月~4月にかけて行われた。
区が包括連携協定「シブヤ・ソーシャルアクション・パートナー協定(通称「S-SAP」)を結んでいる大学や企業などと協働し、渋谷区在住の55歳以上に新たな学びの場を提供することでウェルビーイング向上を目指す「渋谷ハチコウ大学」の取り組み。
今回、民間との連携強化を図りたいという思いと「カジュアルなテーマ」の講義を検討する中で、渋谷区をホームタウンに活動するプロバスケットボールチーム「サンロッカーズ渋谷」と連携。「新たなつながりをつくる機会」として、シニア向けに孫世代が話し相手になったりスマートフォンレクチャーをしたりする「相棒」サービス「もっとメイト」を運営するAgeWellJapan(神宮前3)も含めた3者で取り組んだ。
講座は全3回。学生(シニア世代)は回によって15~18人が参加した。初回は渋谷ヒカリエ内の施設「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ!」でBリーグやサンロッカーズ渋谷について講義し、2回目にはサンロッカーズ渋谷のホームアリーナである青山学院記念館で実際に試合を観戦。最終回には「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ!」で試合の振り返りや見つけた「推し」の発表などを行った。
学生からは、ワールドカップを見て知っていたというジョシュ・ホーキンソン選手や、「イケメンだった」という田中大貴選手、「目が離せなかった」と観戦した試合で活躍を見せたアンソニー・クレモンズ選手などの名前が挙がった。そのほか、地元のチームとして「チーム全体から好きになりたい」という声や、マスコット「サンディー」やチア「サンロッカーガールズ」のパフォーマンス、応援の一体感など含めて「ショーとして楽しめた」などの感想も聞かれた。一方で、視力の関係もあり長身の選手以外が分からなかった、ルールが分からなかったなどの指摘もあった。
渋谷区生涯活躍推進部ウェルビーイング推進担当課長の西岡千佳代さんは、講座を通して、観戦に行く予定を立てることで外出したりチームを知ることで調べてみたり、「自分の世界を広げるきっかけになれば」と期待を込める。アンケートの評価が高いことから、今後も形を変えながら継続していく予定。
30代が中心ファン層の中心となるサンロッカーズ渋谷のにとっても、特に地元の多世代への関心喚起やファンづくりにもつながる取り組みとなった。